地域で長く受け継がれてきた技と心を伝える作品を一堂に展示した
「群馬県ふるさと伝統工芸品」(群馬県主催、当協会後援)が今日から
31日まで大和屋高崎本店で開かれている。
世界の珈琲と日本国内各地の焼き物を扱う同店は、バラエティ豊かな
商品展開で幅広い層から支持を得ている。最近では高崎の梅やだるま
のデザインなど、地元産品とのコラボレーション商品も展開している。
県観光協会のバスツアー「たかさきスイーツめぐり」やJR東日本の観光
タクシー「駅から観タクン高崎」のコースにもお立ち寄りスポットとして
組み込まれており、
店内でのちょっと贅沢な買い物とゆったり味わえる日替わりのコーヒーが
好評だ。
工芸品展の会場は2階のギャラリースペース。モダンな日本家屋風の
小洒落た空間に、群馬を代表する伝統工芸品が品良くディスプレーされ
ている。
製造者1軒を残すのみとなった「高崎張子獅子頭」(岡田だるまさん)や
「高崎招き猫」(荻原正雄さん)の作品など、普段は所狭しと職人道具が
置かれた小さな工房でしか見る機会がないが、
こうしてゆったりと静かに陳列台に並べられ、柔らかな照明にあたられた
作品を眺めていると、かえっていっそう職人の筆使いが伝わってくるような
気がした。
「工場見学」が相変わらずの人気で、夏休み期間中も結構問合せを受けた。
以前なら即答で幾つかの候補を案内していたが、最近は慎重になっている。
携帯メールから安易に送られたような質問には答えていない。
来訪者向けに工場見学ルートを設置したりスタッフを配置していて、積極的に
受け入れているところへの案内も、きちんと訪問目的を聞いてからの対応を
心がけている。
となり町の公民館の職員から、多分施設利用者向けの企画事業のためと
思われる問合せがあった。ただただ「どこか工場見学できるところはないか」
と聞かれたので、
「どんな方がどのような目的で行かれるのか?」と訊き返したところ、「とにかく
どこでも教えてくれればいい」のだという。
その町にも、多様な地場産業があるのを知っている。
地域での社会教育に携わるような方であれば、住民や事業者双方へのより
細やかな配慮が必要だと思うけど。
「高崎じゃなきゃダメですか、○○じゃダメなんでしょうか?」とあまり好きでは
ないフレーズを少しだけ変えて言ってみてから受話器を置いた。
旅行業界ではツアー商品のし烈な低価格競争が展開されている。そんな中で、
多くの場合費用がかからず、さらに受入側からお土産まで付いてくる工場見学
が有難がられるのは分かる。
ただ、そんな勢いで昔ながらの職人の工房にまで"高度な接客"を求めるのは
いかがなものか。ひとり黙々とモノづくりに励む職人さんに、記念撮影のため
のポーズを求めたり、足元が散らかっていると文句を言ったり。そこって、
ディズニーランドじゃないんだし。

