2010年5月アーカイブ

5月22日の群馬交響楽団定期演奏会で、新芸術アドヴァイザーに就任した沼尻竜典さん、
国内最年少のコンサートマスターとなった水谷晃さんと、同じくコンサートマスター(ミストレス)
の伊藤文乃さんに吉田だるまさんから『オーケストラだるま』がプレゼントされました。

06daruma1.jpg開催が迫ってきたサッカーWカップ南アフリカ大会。ジャパンブルーの高崎だるまはいくつか
の工房で注文を受け付けています。前回の大会に比べると、注文はやや少なめ、とのこと。

06daruma2.JPG職場の同僚宅で、元気な赤ちゃんが生まれました。そんな記念のだるまは、足型と手型、
誕生時の体重などが記されている世界に一つの特注品です。

06daruma3.JPG6月は「環境月間」。古文書や新聞紙などを再利用して作る高崎だるまはエコ商品の先駆的
存在。また、緑色の『エコだるま』(吉田だるま)は環境啓発イベントなどでもおすすめの一品。

06daruma4.jpgJune Brideのシーズンでもあります。ここのところ『ブライダルだるま』(今井だるま)が好評
です。お客様へのプレゼントから寄書き用の特大サイズまで各種あります。

06daruma5.JPGそろそろこのだるまの出番です。「選挙の神様」とも呼ばれる高崎だるま、参議院選挙を
控え、市内の工房も『当選だるま』づくりで忙しくなりそうです。ご家庭でも選挙事務所気分を
味わえる『ミニ当選だるま』は吉田だるまさんから。

06daruma6.JPGようやく迎えた「5月末」、何だかいっそう「手も足も出ない」方もいらっしゃるようですが。
明日から6月、世の中「七転び八起き」で行きたいところです・・・。

群馬の地元紙、上毛新聞経済面に毎週月曜日に掲載される『ぐんま名品図鑑』は、
毎回県内の選りすぐりの品々が紹介されていて、物産担当者も必ずチェックする。

昨日の「名品」は当協会会員の横山製菓芳房堂さんの「栗甘納糖初霜風情」。
「おいしゅうございました」でお馴染みの料理評論家、岸朝子さんの本でも紹介され
ている知る人ぞ知る群馬の逸品である。

群馬の名物に、との思いで30年近く前に開発されたこの商品はその名のとおり
この地の初秋の情景をイメージさせる容姿と味わい。

01 hatsushimo.jpg初秋ならこの「初霜」、冬なら御菓子司微笑庵さんの薯蕷饅頭「名残の雪」かな、
と当会員さんの商品から和の甘味の歳時記をたどっていたところ、

今朝の同紙最終面で微笑庵さんが紹介されていた。6月の神事「夏越の祓い」に
ちなんだ同店6月限定商品の葛餅「水無月」にまつわるエピソードが、店頭に立つ
専務の宮澤啓さんとそのお嬢さんたちとの微笑しい写真とともに掲載されている。

実は昨日、当協会の総会準備の関係で微笑庵さんに伺って来たばかり。取材を
受けたことなど全く話されなかったが、そんな控えめなところがいかにも啓さんらしい。

微笑庵さんに伺うと、毎回何かしら季節を感じさせる和菓子に出会える。昨日も
そんな出会いがあった。

初夏限定の「木の芽・名残の雪」で、ほんのりした焼き色と山椒の若芽があしらわれ
ている。山椒も店舗の裏庭で摘んだものだそうで、ふわっとしっとりした皮と控え目な
甘さの餡に交じり、山椒の生命感溢れる野趣香が口中から鼻孔へと広がる。

大人向きな味わい。山椒の思い出がある人にとっては、この季節を楽しみにさせて
くれる一品になるだろう。

02 kinome-nagori.JPGまた、店内で「わらびもち」をお茶請けにいただいた。ちょうど練り上げたばかりという
わらび餅は不思議なほど柔らかな口溶けで、艶やかな褐色の餅に気づかないくらい
さり気なく漉し餡を包み込み、一体的な食感になるよう繊細に仕上げられている。

一緒にお店に伺った協会次長もその絶品ぶりにいたく感激していたが、啓さんの
この商品への思いを聞くとやはり頷ける。またそれはショッキングでもあった。

03 warabi.JPG「わらび餅が絶滅危惧種」

と言われても、ほとんどの方は信じられないだろう。スーパーやコンビニのスイーツ
コーナーに大概置いてあるし、昨日自宅の食品棚にも生協で買った「わらび餅粉」
がしまってあった。

この「わらび餅粉」と「わらび粉」が似て非なるもので、もしこのブログをご覧の方も
家に「わらび餅粉」があったら材料表示を見て欲しい。

ほとんどの場合、そこには「わらび」は入っておらず、甘藷など芋類の澱粉粉である。
我が家のもそうだった。

それもそのはず、啓さんの話では業務用の「わらび餅粉」は1キロ200円程度、一方
蕨の根から少量しか採取できない「わらび粉」は同1万円もするのだそうだ。

なので「わらび粉」でわらび餅を作っている和菓子店は国内にも数えられる程しかない。
菓子作りのお忙しい中、私たちの質問に啓さんはいくつもの資料を出してきて説明して
くださった。

04 toraya.JPG消滅しつつある和菓子はわらび餅だけではない。微笑庵さんではその伝統を守り受け
継ぐるべく、日々古今の様々な文献に向き合い、また時間を見つけては全国の名店を
巡り歩き、自らの商品に活かしている。

◎横山製菓芳房堂
 高崎市貝沢町1069
 ℡ 027-361-4170
  http://www.kuri-amanattou.co.jp/

◎御菓子司 微笑庵(みしょうあん)
 高崎市剣崎町1038-4
  ℡ 027-343-3026
 http://misyouan.gunmablog.net/
  http://www.misyouan.com/

昭和、あの日あの味

新潮文庫がこの5月、「お腹がすく本集めました~新潮文庫の食いしん坊~」
というタイトルで「食」にまつわる本を集めたフェアを行っている。
近所の書店に平積みされた文庫の前で足を止め、しばらく物色してみた。

小泉武夫の「C級グルメ」や田崎真也のワイン本は読まなくても内容は大体
想像がつく。今自分が読むべき本ではなさそうだ。

showa1.JPG勝谷誠彦の『麺道一直線』と角岡伸彦の『ホルモン奉行』、タイトルにはとても
惹かれるが、こういうのを読んだりすると、ミートODAの茂木さんあたりにまた
身勝手なリクエストなどしてしまいそうなので目次だけ見てやめておく。

と少しばかり迷ったあげく、購入したのが『昭和、あの日あの味』。
現役の作家や詩人らによる食をテーマとした随筆集で、各々の世代の昭和の
思い出が綴られる食から振り返る昭和史。

中でも戦中・戦後の食糧難のエピソードは心打たれるものばかりだ。

ポテトサラダに推理小説の一場面を垣間見、祖父と食べる卵かけご飯に涙し、
うな重にわが子の将来を思う・・・。一編あたりわずか4~5頁のエッセイだが、
誰でも日常生活で必ず接する「食」であれば、時代を隔てても短い文章から
読み手に広がる世界は際限ない。

一冊476円。読書時の状態で程良い満腹感、またはこの上えない空腹感が
湧いてくる好著だ。

showa2.JPG戦中・戦後の白いご飯など皆の憧れだった時代、芋や大豆、さらにはヒジキで
増やしたというより、むしろそればかりだった主食のエピソードに触れると、
最近よく耳にする「飼料米」という言葉が空しく響いてしまう。さらに宮崎県の
畜産業の危機的状況も重なる。

農業について述べられるほどの知識も経験もないが、稲作農家にとってお米は
血と汗の結晶だろう。そういう気持ちで休む日もなく田圃に出向いている会員の
農家の方もいる。

また、畜産や酪農家にとっての丹精込めて育てた牛や豚たちは家族のような
存在。先日も涙を流しながらそう語る宮崎の生産者をテレビで観た。

この国の食への不安は生産者、消費者ともに多くの人たちが抱いているのは
確かだ。

showa3.JPG先の新潮フェアにも名前を連ねる方の別著に「食乱れて民族滅ぶ」という言葉を
見つけた。また、その本の中で「宰相とは料理人である」として、こんな記述もある。

中国の古代国家では、宰人は王のすぐ下の地位にあり、その場に集まった重臣
たちの体調に合わせて、平等に豚一頭の肉を切り分けたという。そのように
「国民に平等に豊かさや富を与える人」をして宰相と称すようになった、と。

この史実からも「食」は人々にとって最も尊い営みだったことが分かる。今のような
ご時勢の中で再読する「昭和、あの日あの味」から、やるせない複雑な想いが込み
上げてくる。

とても後悔している。録音しておくべきだった・・・。


群馬県観光国際協会主催のツアー「音楽の街・パスタの街」がちょうど今、行わ
れている。

おかげさまで何とか催行人数に達し、ピアノプラザ群馬さんでのショパンを中心と
したミニコンサートの後、一行は群馬音楽センターでの群馬交響楽団の練習風景
の見学を終えた。

ツアーでは当協会の会員の飲物等の提供することになっていたので、私も音楽
センターでの行程をご一緒させていただいた。

群響事務局による特別の取り計らいで、リハーサル前のステージで各パートの
方々から直接楽器の説明をお話をいただいたり、と群響定期会員歴10数年の
私でも初めての体験だった。

ステージ見学の後、戦後の群響創設時のメンバーだった安藤直典さんを囲み
現在に至るこの楽団のエピソードを1時間ほど伺ったのだが、安藤さんは「群響
の生き字引」(群響事務局談)とも言える、今となっては貴重な存在。

ando.JPG終戦直後の高崎でわずか15名により開かれた第1回演奏会に始まり歴代の音楽
監督や楽団運営での数々の困難を救ってきたパトロンたちのエピソード、そして
「プラハの春音楽祭」出演への道のり等が語られた。

奇抜な行動ばかりが記憶に残る指揮者で作曲家の山本直純氏だが、父で同じく
指揮者だった直忠氏に連れられて群響に来た時に楽員の前で見せた神童ぶり、

また直純氏の弟弟子にあたる小澤征爾氏にしても、現在では世界最高峰である
ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めているのは周知のとおりだが、昭和20年代
から群響のステージに立っている。指揮台での同氏の眼光やオーラは当時から
物凄いものだったそうだ。

安藤さんの話の中で特に印象に残った言葉がある。

「群響には本当に困った時に救いの手を差し伸べてくれる人が必ず現れる」のだ
という。

リハーサルの音が微かに洩れてくるホールのロビーでの講話は和かな雰囲気の中
ツアー参加者からの質問も相次ぎ、気がつくと予定時間を30分もオーバーしていた。

そして、終わり際に提供された洋菓子店「ラ・メーゾン」さんの「焼菓子シンホニー」が
またモチーフとなり、安藤さんが語る同店と群響の思い出話は尽きなかった。

tennai.JPGツアーの一行は今ごろホール近くの「スパゲッティ専科はらっぱ」さんで早めの夕食中。
群響メンバーも多く訪れる同店店長の岩田さんにも群響にまつわるエピソードがある
とのことで、今ごろ店内では賑やかな懇談で盛り上がっていることだろう。

そしてもう一時間程で、今シーズン初の定期演奏会が始まる。新芸術アドヴァイザーの
沼尻竜典氏、そして国内最年少のコンサートマスター水谷晃氏の就任後初の演奏会、
群響がまた新たな時代を迎える記念すべき演奏会だ。

ところで今、日本国内でも芸術文化を取り巻く状況は厳しい。殊ここ一年足らずの間に、
仕分け人さんとやらがこの国を自らの容姿のように骨と皮みたいにしかねない評価を
繰り返し下し続けている。

「救いの手を差し伸べてくれる人」が現れるのを待っているだけではいけないのだろう。
今、できるのは先人の貴重な声に耳を傾け、築いてきた足跡を、伝えるべき人にきちん
と伝え、しかるべき時のために記録を残していくことだと思う。

いかにも素性の良さそうなラスクだ。

旧中山道高崎宿の面影を残す本町通り沿いに、創業昭和9年の「このえパン」
さんがある。前回のこの「高崎ラスク紀行」で紹介した観音屋さんから北に
数百メートルあたりのところだ。

早朝からこの界隈にはパンを焼き上げるあのほんのり甘いが漂いはじめ、7時の
開店時から通勤途中の常連さんが訪れ始める。サンドウィッチやカレーパンと
いった惣菜パンも充実しており、特にお昼時などは客足が絶えない。

定番の人気商品が食パン。「湯だね食パン≪吟≫」はこれ目当てに焼き上がりに
合わせて来る方も多い。モッチリ感を生みだすため中種を熱湯で捏ね上げ、
小麦本来の甘味と旨みを引き出す同店独特の製法で、連日完売する。

長く幅広い支持を得ている理由だろう、どの商品からも店長の石附さんの徹底した
こだわりが伝わってくるのだ。

rusk-konoe.JPGそんなこのえパンさんの店内に、ラスクもさりげなく販売されている。1.2cm厚に
スライスしたバケットに一枚づくバターを塗りこんで丁寧に焼き上げられており、
そのサクサクっとした食感からも材料のパンの質の高さが伺える。

焼きたてのバケットを軽くトーストした時の味や香りをそのままにラスクにした
ような感じで、何しろ食べ飽きない。

このえパンさんがラスクを販売し始めたのは14年前からだという。ただし、今の
商品とは異なるもので、レーズンパンを用いたものだったらしい。

高崎最古のラスクか?そんな話を聞くと食べてみたくなるのが人の常。

「また売り出してみません?」という私の問いに、「面倒だからやらない」と即答した
石附さん。やはり気になる・・・。

そんな訳で、
当時のレーズンラスクを知る方、ぜひ情報をお寄せ下さい。また復活を願う方の
ご署名は当協会事務局メールで受け付けます。

◎このえパン BAKE SHOP konoe
 高崎市本町117
  ℡ 027-322-4514
 http://www.rakuten.co.jp/konoepan/
  「湯だね食パン≪吟≫」「ラスク」ほか、楽天ショップでも購入できます。

正しいかき氷

イラストレーターの南伸坊さんは、全国的に理想のかき氷屋が絶滅しつつある
と嘆いている。

南さんにとって「理想」のかき氷屋は、海が見えたりという風に景色がよくなくても
よい。ビルの谷間にあって車が排気ガスを撒き散らしていても、テーブルの脚が
カタカタいっていても構わない。

要はエアコンがないこと。南さんに言わせると、そういう店は間違っている。ギン
ギンにクーラーを効かせているなど言語道断。

でもそんな理想のお店を見つけるのは今となっては至難の業、夏のうだるような
暑い午後に、汗をだらだらたらしながら歩いても出会える確率は相当低いようだ。
(南伸坊『正しいかき氷』)

その点、幸い高崎に住む者にとって、この街は理想郷なのかもしれない。とても
身近に、そんな「正しいかき氷屋さん」がある。

群馬県で今年初の真夏日を迎えた昨日、所用で当協会会員の「日本一」さんに
立寄った。

nihonichi100518.JPG創業昭和4年(1929年)の氷問屋の日本一さんは業務用氷の卸が専門で、市内の
多くの飲食店が同店の氷を使っている。夕刻のバーカウンターでまったりグラスを
傾けていると、配達に来る小谷野さんと顔を合わせることがあり、いつも恐縮する。

日本一さんでは、一年を通じて店先でかき氷が食べられる。メニューは約40種類。
いちごミルクやブルーハワイといった定番から、白桃やマンゴー、ブルーベリーと
いった果汁や果肉をたっぷり使用したオリジナルシロップも多数揃う。

またこのお店がながく地元で親しまれている理由がその価格。1杯100円からという
リーズナブルな価格帯は20年間据え置きで、夏場は百円硬貨を片手に集まってくる
近所の子どもたちでいつも賑わっている。

一方で群馬ではここでしか食べられない逸品もある。日光市の氷室、松月さんの
天然氷は関東でも3軒にしか卸されていないらしい。その1軒が日本一さん。
通常の価格プラス200円で天然氷のかき氷を味わうことができる。

淡雪のようにフワっと口の中で溶けていく優しく柔らかな食感で、ガリガリした氷と
違い、あの頭にキンキン伝わる痛冷たさも不思議と全く無い。

昨日の同店では親子連れ2組が、店舗前のベンチで美味しそうにかき氷をつついて
いた。本当はそんなひと足早い、夏の風景をカメラに収めたかったのだけど、

片方のお母さん、以前によく飲みに行っていたダイニング・バーの店長さんだった方。
ほぼ10年ぶりにお会いしたが相変わらずキレイだ。お子さんは、もう小学生になって
いた。

意識する必要もないだろうに、ここ数年でだいぶ出っ張ってきた腹を引っ込め、何と
なくぎこちない会話を交わし、「今こういう仕事してるんです」と店舗外観だけ数枚を
撮影しその場を後にした。暑い一日だった。

◎日本一
 高崎市本町73
 ℡ 027-322-3029

先日の新聞紙面で、微笑ましいコメントを見つけた。

「古墳巡りが趣味で、自宅の玄関には埴輪をいっぱい飾っています。妻には埴輪を
 買ってこないように言われてきたが、この埴輪は大事に居間に飾っておきたい」

高崎市立かみつけの里博物館の入館者が先日、1998年3月のオープン以来、30万人に
到達したそうだ。この日、ちょうど30万人目の来場者となった都内の60代の男性に
記念品の埴輪が贈られ、その様子が5月11日付け毎日新聞群馬版で紹介されている。

翌日の日経流通新聞MJ最終面も若い女性に人気を集める埴輪が取上げられており、
全国の博物館やグッズ購入、さらに埴輪作り教室の盛況ぶりが報じられている。

haniwa1.JPG2、3年程前からか、歴史ブームが続いている。真田幸村に始まり直江兼続、坂本龍馬
といった戦国、幕末の人物から昨年の仏像ブーム。この流行を牽引する特に若い女性
たちは龍女、戦国乙女、仏像ガールといった「歴女」とはひと括りできない程に細分化
し、し烈な派閥争いを繰り広げている模様。

そんな中、第三極的な新党とも言えよう、各地で埴輪人気がじわりじわりと上昇して
いる。「はにわガール」だか「はにわ女子」だか正式な呼称はまだ定まっていないよう
だが、確実に来るな、このブーム。

幕末にしても戦国にしても、その崇拝の対象は眼光鋭い勇ましい男たちである。その
肉食系な反動か、キュートで無表情な埴輪に向かい合うと、自然とほのぼのとした
気持ちになれる。綾瀬はるかさんをテレビで見ている時みたいだ。癒される。

haniwa2.JPG紀元5世紀、今からおよそ1500年前、榛名山南東地域一帯を治めた王族がいた。現在も
残る保渡田古墳群はその王達が眠る場所。車持氏(くるまもちし)と呼ばれたこの一族
が治める場所は車郡(くるまさと)と呼ばれ、この名は、後の群馬県という名に繋がる。

かみつけの里博物館には、埴輪、土器、日本最古の飾履(くつ)などの遺物といった
この地域からの貴重な出土品の数々、周辺の古墳群や景観を再現したビジュアル模型
などを9つのコーナーで常設展示。

また博物館北に隣接する八幡塚古墳は発掘調査の所見に基づいて、1500年前の姿の
古墳を再現している。内堤の一角には、人物・動物の形をした埴輪群像が復元、後円部
には、王の棺(舟形石棺)の実物が見学できるドーム施設がある。

この博物館に訪れる機会があったら、ぜひ八幡塚古墳に登ってみてほしい。この古墳から
上毛三山と言われる群馬の山々が全て見渡せ、特に夏にはヒマワリ、秋にはコスモスが
広大な敷地に咲き誇りその風景は圧巻。

haniwa3.JPGまたこの古墳が素晴らしいのは、1500年の時代を隔てて、多くの人たちの手で再生された
という点。

博物館の開館直後から始まった「ブロジェクト6000」事業では公募による一般参加者と
博物館のボランティアグループが円筒埴輪を製作、昨年ようやく、延べ3980人により古墳
周囲に古墳時代当時の埴輪の風景を再現する一大プロジェクトが完結した。

さらに秋には、古墳時代当時の「王の儀式」を再現するスペクタクル劇が古墳周辺で上演
され収穫したばかりの古代米がふるまわれたり、各種グッズが販売されるなど毎年沢山の
見物客で賑わう。

1500年の年月を経て訪れたはにわブーム、この波に乗り遅れたくなければ、まず高崎に
来ない手はない。


◎上毛野はにわの里公園
 http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/kouen/zigyou/osusume/hani-kou.htm

◎かみつけの里博物館
 http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/kamihaku/shisetsu.htm

◎駅から観タクン 高崎発コース
 http://www.jreast.co.jp/tabidoki/taxi/takasaki/index.html
 かみつけの里博物館へは「古墳文化と神秘のシルク体験コース」で。

kodaimai.JPG         国府野菜本舗さんでは、古墳近くで収穫された「古代黒米」を販売しています。


 

煮豆や昆布製品でお馴染みの食品会社フジッコさんの「カスピ海ヨーグルト&
豆乳飲料『カスピア』」という商品がある。

世界の長寿地域として知られるグルジア共和国コーカサス地方からもたらされた
カスピ海ヨーグルトに、日本の長寿のもと、大豆の栄養をプラスした、ヨーグルトと
大豆のいいところを一度にとれる健康飲料である。

以前は近所の大型スーパーの乳製品コーナーの片隅に遠慮がちに並べられてら
れていて、同商品の高崎西部エリアの売上にはささやかながら貢献したつもりだ。

この『カスピア』をプロデュースしたのが京都大学名誉教授で医学博士の家森幸男
先生。「長寿博士」としてその方面では知られていて、身近なところでは商品原料の
カスピ海ヨーグルトや、大豆イソフラボンといった健康成分を日本に知らしめた方
でもある。

そんな家森先生の講演会が今週末、高崎市内で開催される予定で、家森ファンと
しては楽しみにしている。
yamori1.JPG「長寿食」というと手放しに米を主食とした和食のメリットを賞賛する向きもある昨今
だが、摂取の仕方によるデメリットや食事と併せた適度な運動の必要性など、見落
としがちな点なども冷静に、かつ分かりやすい文章で解説した著書がうちの本棚にも
何冊かある。

医学博士として、フィールドワークを通じて世界各国の食事情を長く研究されており、
長寿地域と言われる村々の伝統食など、我が家でもいくつかは実践している。

例えば新彊ウイグル自治区のトルファン。シルクロードの中間点、東と西の文化が
交わるこの地域には元気なお年寄りが多く、その地で取れる野菜や果物、ナッツの
摂取量がその秘訣だそうだ。

中国各省の中で経済的に最も貧しいといわれる貴州省の省都・貴陽もまた長寿地域。
石灰分が多い土壌で稲作には適さないが、干豆腐や豆腐麺、納豆など、そこで収穫
される大豆の加工品が安価で種類豊富なのだとか。大豆イソフラボンの摂取量も
当然多くなる。

                      もぎたて完熟屋さんのお総菜
yamori2.JPGそして、家森先生は長寿は遺伝ではなく環境に拠るところが大きいと主張する。

近年、世界各地に都市化の波が押し寄せており、ライフスタイルが変化、食環境も
急変している。その結果、肥満や高血圧などの生活習慣病のリスクが高まる傾向が
見られるという。こうした問題はかつての長寿地域でも起こっている。

例えばエクアドルのビルカバンバ。主に農業を生業とし健康的な生活を送っていた
南米のこの村が長寿地域として注目され、「この村に住めば長生きできる」という単純
な発想から、北米からの移住者、観光客が急増、その結果多くの住民はレストランや
土産店に従事しはじめ、運動不足や脂肪分の摂取過により成人病が増加したという。

また、ハワイ移民には沖縄出身者が多く、移住先でも高い平均寿命を誇っていた。
チャンプルーなどでも見られるように沖縄にはバラエティ豊かな豆腐料理があるが、
その伝統食のよさは戦争を境に失われてしまった。ハワイでは現在大豆は主に
家畜の餌で、牛肉を生産するのに必要な大豆の量は、人が食べる量の8倍だという。

沖縄県も、5年に一度厚生労働省が発表する都道府県別生命表で、以前は男女
ともに上位の平均寿命だったが同県の男性の順位の著しく低下している。外食の
増加や生活スタイルの変化が要因と見られる。

確かに沖縄に行ってみると、戦後アメリカからもたらされたランチョンミート(SPAM)
が手軽な食材として地元スーパーでも大量に販売されていて、口にも合うし美味しい
が、塩分も脂肪分も結構摂れてしまう。

基地や兵器の危機が叫ばれ続けるが、伝統的な長寿の伝統食を破壊し、恒常的に
健康状態を悪化させる行為は、ある意味テロより怖い気がする。

                 国府野菜本舗さんの手作り弁当
yamori3.JPG家森先生の親しみやすいところは、そんな現状を憂うだけでなく、誰でも簡単に取り
組める解決策を提案してくださるところ。

日本食の素晴らしさは、大豆や魚を日常的にとり、米を味付けせずにたべる食生活。
これを無理せず可能にする方法として、一日一食、昼食時の「お弁当」を提案している。
何も特別なことではなく、この野菜や根菜、豆類や魚などが一箱の中に散りばめられた
日本人の知恵は、実験データからも効果が証明されているという。

IMG_1716.JPGサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の日本代表が今日発表
されます。

先週金曜日の新聞紙面でも、日本代表の岡田監督に必勝祈願だるま
がプレゼントされたという記事が掲載されています。

先日伺った高崎市内のだるま工房でも、サッカーファンからの特注品の
対応で忙しそうでした。

公式グッズの販売はありませんが、群馬県達磨製造共同組合会員の
いくつかの工房では、お客様からのご希望のデザイン、カラーのだるま
を受け付けています。

世界に一つのオリジナルだるまで、W杯の応援を盛り上げませんか?

◎群馬県達磨製造共同組合
 ℡ 027-323-5223

ベートーヴェンの9つある交響曲の中でも、作曲者自らが『田園交響曲』と呼び
5つの楽章にもそれぞれ標題が付けられた第六番は、ひときわ独特な作品である。

30歳を過ぎた頃から耳に異常が起こり、人気絶頂だったウィーンの社交界を離れ
自然豊かな郊外に移り住んだベートーヴェン、同地で弟宛に書いた「ハイリゲン
シュタットの遺書」はあまりにも有名だ。

「遺書」から6年後、38歳の彼がこのハイリゲンシュタットの初夏の情景を描いた
といわれるのが『田園』で、「絵画ではなく感情を表現したもの」という作曲者の
断りを知る者でも、当時の中欧の田舎の光景が眼に浮かんでくる絵画的な曲。

名盤と呼ばれるブルーノ・ワルターの録音、ドレスデンの歌劇場オーケストラの
来日公演で聴いた快演、自分もいろんな機会に接してきたこの名曲の録音や実演の
中で、ベスト・ワンとして挙げたいのが3年前、榛名神社で聴いた『田園』である。

jinja 1.JPG遡ること6世紀、万葉時代の創祀以来、この地の人々に永く崇められてきた神社の
奇岩と巨木に囲まれた神楽殿を舞台に、毎年5月末に開催されているのが『幽玄の杜
音楽会』。

2日間にわたりジャズとクラシックのコンサートが昼夜各2回行われる。チケットは
ご神水と地元産の粉で打たれた「門前そば」とセットになっていて、来場者は大門
手前に複数ある宿坊で滋味溢れる食事を済ませ、静寂が漂う参道をゆっくりと登り
ながら演奏会場の境内に向かう。

jinja 2.JPG神社の大門をくぐると、誰もが別世界に入り込んだような印象を受ける。自動車等の
人工的な音は一切ない。聞こえてくるのは脇を流れる小川のせせらぎと5月の薫風に
揺られる木々のさわめきくらい。それは息の長い前奏曲に包まれているかのよう。

jinja 3.JPG本殿手前の石段を登りきると目の前に現れる神楽殿と、この建物を取り囲む本殿と
その背後にそびえる巨岩は、まるで野外オペラハウスのような光景で圧倒される。

この社を建造した当時の宮司も、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンといった
作曲家も、数百年後のこの地でこんな風に自らの楽曲が奏でられるなんておそらく
全く想像しなかっただろう、と微笑みたくなる。

jinja 4.JPGクラシックの部は毎回、群馬交響楽団メンバーによるフルート、ヴァイオリン、
ヴィオラ、チェロのクァルテットの編成。自分が初めて聴いた幽玄の杜ではメンバー
自らがアレンジした『田園』の第一楽章が演奏された。

クラヲタにはこの「編成」にやたらとうるさい連中がいる。例えば作曲当時の楽団
では弦が何人だったとかこの楽器は入ってないはずだ、とか。

ただ、当時の演奏会は作曲家の自前で行われており、楽団報酬も作曲家持ち。例えば
現在の群響70名近くをフルに一晩雇えば莫大な費用が必要になる。なので交響曲でも
幽玄のような数名のアンサンブル用に編曲したりといったことも行われていた。

また、馴染みの曲でも小編成の演奏で聴いてみると、名曲の意外な一面に出会えたり
もする。確かに聴覚を失った楽聖の心の中で響いていた『田園』は、もしかしたら
こんな演奏だったのかもしれない―――そんな事件が、第1楽章の序奏後間もなく
起こった。

このアレンジで主旋律を受け持ったのがフルート。クァルテットの中で唯一のこの
木管楽器が奏でる調べとともに、杜の小鳥たちの"ツイッター"(=さえずり)が
始まったのだ。

そのさえずりは曲が進むにつれ輪を広げ、終盤には境内全体を愛らしくもあり、また
壮大なパノラマの音のエコーで包み込んだ。

jinja 6.JPGまさに一期一会の演奏。"鳥"を題材にした作品を残した現代作曲家にオリヴィエ・
メシアンや武満徹がいるが、生前の彼らがこの場に居合わせていたら、その後の作品
にも影響していたかもしれない。

今年の『幽玄の杜音楽会』クラシックの部は5月23日の開催、モーツァルトの四重奏曲
『狩』等が演奏される予定。またまたどんな"即興"が繰り広げられるのか、まさに
神のみぞ知るところか。


◎幽玄の杜音楽会2010(5/22-23)
 http://harunavi.jp/

jinja 7.jpg門前そばに合わせていただきたい純米酒『神楽泉』(牧野酒造)はここでしか飲めない
貴重なお酒。

学芸員さんには申し訳ない話だが、これまで群馬の森にある県立歴史博物館に
自らの意思で行こうと思ったことはなかった。たいがいは森の散策や隣の県立
近代美術館に行くついでに入ってみた程度である。

そんな自分が、告知チラシを手にした時から楽しみにしていたのがこの企画展、
『粉もの上州風土記』。同館のリニューアルオープンの一企画として先週から
始まった展示で、

全国有数の小麦の産地である群馬県の食文化を「家庭の粉もの料理」「材料・
調理器具」「年中行事」そして「粉ものの現在」といった切り口で模型や資料等
132点を展示、この地の粉食文化の奥深い広がりをコンパクトに知ることができる。

仕事柄、物産会員さんの商品で小麦粉を原料とするものには日頃接しているので
展示内容はだいたいこんなものだろうと想像していたのだが、それにしても凄い
です、群馬の粉もの料理。

kona.jpg会員の倉渕生活研究グループのお宅で、以前に「ジリヤキ」と呼ばれる小麦粉に
味噌とネギを混ぜて、お好み焼きのようにフライパンで焼いた料理を頂いたことが
ある。

この呼び方、倉渕・榛名だけかと思っていたら甘楽や水上、上野村にもあるようだ。
ただ、材料は粉だけであったり、菱形に切って食べたりと地域によって違いがある。

またジリヤキの一種で嬬恋村の「センベイ焼き」はソバ粉とジャガイモ粉を混ぜて
薄く延ばして焼き上げ、エゴマ味噌をトッピングして食べるもの。フランス北西部の
ブルターニュ地方ではソバ粉のクレープ「ガレット」が有名だが、すごく似ている。

山間の嬬恋にしても、ブルターニュにしても古くは農作に適しない厳しい気候の土地
だったはず。センベイ焼きの展示ディスプレーの前で、しばらく足を止め、時代と
大陸を隔ててこの粉料理を頬張る家族の姿を想像してみた。

他にもお祝い事の時に供するヒルバテイ(昼うどん)、柚子入りゆべし、ケシネジと
いった忘れられつつある群馬の粉食文化の数々が、詳しい説明と共に紹介されている。

特に印象的だったのは、展示会場の和やかな雰囲気。GW中ともあって、家族連れの
観覧者がほとんどだったが、「懐かしい」「コレ、お母さんが小さい頃よく食べたの」
といったこれまでの同館の旧石器、古墳時代の展示ではあまり交わさることがなかった
だろう会話が方々から聞こえてきた。

お粉料理があるところに、家族の笑顔があり、また世代を超えた語らいの場がある――
博物館を後にして新緑の群馬の森を散策しながら、製粉会社のキャッチコピーみたいな
フレーズを思いついていた。

◎駅から観タクン 高崎発コース
 http://www.jreast.co.jp/tabidoki/taxi/takasaki/index.html
 群馬県立歴史博物館へは「人気のラスク・ガトーフェスタハラダコース」で。
 (2時間5,800円)。「粉もの上州風土記」は8月29日(日)までの開催。

 

SL1.JPG引きこもりがちだった幼少時代、そんな私を心配した叔母が、大手ガソリンスタンドが
主催する絵画コンテストの応募用紙を持って来た。無言のままクレヨンを手に取り、
自分が描いたのは「189系特急あさま」だった。

コンテストでは、応募作品が地元大型スーパーの特設展示スペースに張り出され、
多くは自家用車、時たまトラックやダンプカーがモデルの中にあり、私の一枚は確かに
浮いていた。そんな昔の出来事を今日、数十年ぶりに思い出した。

SL1-2.JPGゴールデンウィーク期間中、JR東日本高崎支社のイベント列車『SLみなかみ号』が高崎・
水上間を一日一往復運行されている。D51型蒸気機関車(通称デゴイチ)が6両の客車を
牽引、多くのファミリーや、今ではなかなか見ることが出来ないこの雄姿をひと目見ようと
いう鉄道ファンで、今朝の高崎駅2番線ホームはごった返していた。

SL2.JPG凄いのは人出だけはなく、その熱気。いま話題の「撮り鉄」さん、初めて直に拝見しました。
個人的にはSL本体を見てるより、あの方々を観察するほうが楽しかった。そのポイントを
何点か挙げると

【規則正しく、かつ迅速な行動】
本日、1両目最前列に乗ったが、途中の停車駅に近づくと望遠レンズ付きの高級そうな
カメラと三脚を携えた方たちが乗降口近くに集まってくる。そして停車すると我先に、と
ホームをひた走り、一斉にデゴイチの撮影が始まる。

SL3.JPG【着眼点、または興味の対象】
とにかく色んなモノを撮影している。デゴイチ本体だけでなく、機関士(ポーズまで要求
している)、石炭をくべるときのスコップ、SLと客車の連結部、アイスクリームを売りにくる
お姉さん等々。こういうの撮った方がいいのかと思ったので、自分もまざって一枚。

SL4.JPG【素人への親切さ】
変わったアングルから撮影していた方がいるので訊いてみると、先日このデゴイチには
デフレクターと呼ばれる除煙板と集煙装置が装着され、より重厚なイメージになったのだ
と懇切丁寧に教えてくれた。どれがそれだか分からなかったが、とりあえず撮影。

SL5.JPG【購買意欲】
SLと名の付くグッズがとにかく売れている。高崎弁当さんの『上州D51』弁当は、車内販売
一両目ですでに完売だったようだ。また、多くの乗客が買ったばかりのキーホルダーや携帯
ストラップ、SLチョロQなどを嬉しそうに見せ合う光景が、何だか微笑ましかった。

SL6.JPG来年、2011年7~9月には群馬県全域で、観光キャンペーンとしては全国最大規模の『群馬
デスティネーション・キャンペーン(DC)』が開催される。今日お会いした複数の地元鉄道ファン
の方から、DCへの期待の声を伺った。確かに、高崎の物産を売り込む好機になりそうだ。