2009年12月アーカイブ

時折サッシの隙間から上州の空っ風が入り込むベニヤ敷きの工房、灯油ストーブに載せ
られた真鍮製の薬鑵からはやんわりと湯気が立ちこめ、射し込む西日が手元を仄かに
照らす。真紅のだるまをじっと見つめて、ひとり黙々と絵筆を運ばせる職人。見るからに
年季の入ってそうな前掛けには、幾重もの塗料が染み付いている。

『広報高崎』を読みながら目頭が熱くなったことがあっただろうか。今年最後の発行となる
12月15日号では、「高崎を代表する伝統工芸品」として高崎だるまが取り上げれれている。
そして「みなさんは高崎だるまのことをどこまで知っていますか」という読者への問いかけ
とともに特集は始まる。


この一年、物産振興協会の担当者として、高崎だるまの最新の出来事をメディアに届ける
業務にも携わってきた。特に創作だるまの話題など、幸いにもさまざまな媒体でたびたび
取り上げていただいた。これまでなかなか接点がなかった職人の方とお会いする機会にも
恵まれた。

ただ、日頃この業務に携わりつつ、気になっていたことがある。

確かに話題性ある商品はメディアでも取り上げられやすいが、この高崎の伝統工芸品を
支えてきたのは、百年以上変わらず、地道に、幾世代にもわたり製造を守ってきた小さな
工房の職人たちであること。そんな方たちの存在に目を向けてもらえるような機会は、
正直なところ余りなかった。

そんな中、年末に届いた広報高崎では、遠藤さん、須田さん、清水さんといった昔ながらの
だるま作りに励む職人が秀逸な写真とともに紹介されている。

またコメントも味わい深い。
「まだまだ納得いくだるまは作れない」年が明けると80歳を迎える職人は言う。そして
「買ってくれる人がいるから手が抜けない。不況なんか吹っ飛ばしてくれらぁ」とも。

なるほど、商業の街としての高崎が元気なのはだるまさんが見守ってくれているから、
といわれる事があるが、こんなだるま職人の言葉を耳にすると、冗談ともいえなそうだ。

 

kouhou091215.jpg国内外、変化の大きい一年だった。「CHANGE」を合言葉に世界中の希望を背負って
登場したオバマ大統領。海を隔てたこの国も同じく変化を求めて、そして期待をこめて、
その道を選んだ。それからまだ僅か100余日にもかかわらず、遥か昔の出来事のように
むなしさ交じりに感じてしまう・・・。

翻って高崎に目を向けると、天明の飢饉により苦しい生活を強いられてた農民の救済策
としてこの地にだるま作りがもたらされて約200年。その後も幾多の天災、不況、戦災を
生き抜き伝えられてきた工芸品について、2009年の出来事をあまり大げさに書き連
ねたら、達磨さんに嘲笑されるかもしれない。

でも、その数世紀に亘る歴史からみれば微かではあれ、変化が訪れたのは確かだと思って
いる。だるま職人自らによるこの動きが一出来事として終わることなく、何かしら後世へと
続く流れを形作る一滴となることを願う。

2010年、新年のだるまに目入れには、そんな思いを込めつつのぞみたい。(終わり)

 

daruma movie.jpg高崎だるまのコラボレーションは国内に留まらない。

2009年2月。

群馬が誇る伝統工芸品「高崎だるま」が一人のカナダ人の目にとまった。世界的な
雇用、金融不安等々といった話題が連日紙面を賑わせていたこの頃、高崎だるまの
ポジティブで懸命な姿が彼の心を動かした。

パブロ・クンツ氏が社長として運営する(株)マーチフォース・インターナショナルは、
「モダン生活と伝統の融合」を基盤に、日本の上質な工芸品のブランドづくりを進める
コンサルティング会社。

同社からインターネットを通じて世界に向けて発売されたオリジナルだるま「We Love
Daruma」は全5色展開で、7ドルから販売されている。また、同社サイトでは赤だるまの
ブレイズ君ほかが登場するだるま初のショートムービーを発信する。

企業の社会貢献(CSR)が定着しつつある中で、商品の売上の一部は心臓手術を
必要とする子どもをサポートする基金に寄附される。高崎だるまは古くから再生紙で
作られている伝統的なエコ商品であり、環境保護活動を展開する企業の方々にも
知ってほしいという願いが込められている。

先月クンツ氏から久しぶりにメールがあり、世界展開するヘアサロン・グループの
オリジナルグッズとしてだるまをモチーフに作成したストラップも大きな反響があった
とのことだ。

また、海外向けのだるま販売としては10年程前から「戸塚だるま」さんがインターネット
で対応している。先月、同工房の貴裕さんにお会いした際、受注メールを見せてくだ
さったが、英文で届く注文の発信元は50ヵ国を越えている。

今年はサッカーのワールドカップの開催年。1次リーグ組合せが今月初めに公表され、
強豪揃いの顔ぶれに岡田ジャパンがどこまで健闘できるか、期待と不安が混ざるところ。

衛星中継される南アフリカのスタジアム、スリリングな展開に固唾をのむ日本サポーター
が握り締めるのはJAPANブルーの必勝だるま―――そんな光景を見てみたい。
2010wcup.jpg

kitty.jpgのサムネール画像例年、高崎だるまが新聞やテレビ等のメディアに登場するのは、年末のだるま作りや
正月のだるま市、または国政選挙の当選だるまの目入れの光景程度であるが、今年
はほぼ毎月、創作だるま等の話題が続いた。

政府観光庁がマスコットキャラクターとして観光大使にも任命しているハロー・キティ。
今年はキティの誕生30年というアニバーサリー・イヤーで、国内各地の伝統工芸品との
タイアップ商品が多数リリースされている。「真下だるま」さんでは、このキャラクラーを
あしらっただるまを販売、ライセンス元のサンリオショップや都内百貨店でも一際人気を
集める商品となった。

また「今井だるま」さんの「デザイナーズだるま」は発売から2年、羽田空港での売れ行き
も好調で、夏には経済番組でも紹介され話題となっている。

群馬交響楽団オリジナルの「オーケストラだるま」も、製作者の「吉田だるま」さんによる
とすでに400個以上が販売され、創作だるまとしては過去にない数字をあげる。プロの
音楽家のマネージャーが方々で宣伝して下さっているとも聞く。

来年の干支商戦にもいち早く対応、「招きトラ」(囲舞達磨本舗さん)や「干支だるま」
(大門屋の高林さん)らの商品は、今でも注文が続いているとのこと。

また、組合員以外でも老舗手ぬぐい店の「中村染工場」さんの「だるま柄手ぬぐい(8柄)」
が百貨店催事の会場を鮮やかに飾り、高崎経済大学の学生・米村健太郎さんの発案に
よる同大学のスクールカラーのオリジナルだるまは受験生らが買い求めに来る大学生協
の人気商品となった。

さらに、有名テーマパークや食品メーカーの人気キャラクターとのコラボレーション商品も
年明けのこのブログで紹介できそうだ。

高崎だるまといえば、丸く真紅のボディに眉が鶴、髭が亀を表す縁起のよい意匠が知られ
ている。上記のような異なる色彩や絵柄を施したものには、確かに異論もある。

盛り上がるのは嬉しいことと思いつつ、そんな心配をしていたところ、「創作だるまを買って
くださったお客様がリピーターとして普通のだるまを買ってくれる。今までだるまに興味が
なかった方の入口にはなっている」と吉田だるまの吉田昌弘さん。

また、明治32年に発行された『風俗画報』に「五六年前黄繭に方取りて黄達磨なる者を製
せしかと、顧客の意に適せざりけむ・・・」という記述があるのを達磨組合理事長の中田さん
が教えてくださった。まさに異色のだるまは成功の有無に関わらず当時でも作られていたの
である。

そんなふたりの職人から心強いコメントをいただき、少しだけ安心できた。

 

2月21日午後3時、藤塚町のだるま店、大門屋。普段なら縁起だるまを求めて
訪れる観光客で賑わう店内は、いつもと異なる熱気を帯びていた。


最盛期には少林山達磨寺周辺に200軒を越す工房で作られていた高崎だるま
の製造は、職人の高齢化や後継者不足により現在では55軒にまで減少。
職人を束ねる群馬県達磨製造協同組合の会員も、一年に1軒のペースで廃業
を余儀なくされている。

これまで家内工業として、工房の親から子へと代々受け継がれてきただるま作り
にも、明るい将来が望めない。家族以外からも、職人の成り手を募りたい―――
1月半ば、各地での年明けのだるま市の合間に同組合理事長の中田さんと会食
した際、そんな想いを伺った。

そして翌月の2月5日、「職人募集を始めたいと思います。たまたまお越しになった
新聞記者の方にその旨をお伝えしました。ご協力お願いする場面があるかもしれ
ませんが、よろしくお願いします」と中田さんからの電話をいただいた。

その後の展開を、業務日誌の記録からたどってみるとこうなる。

 2月 7日 日本経済新聞(群馬版)に職人募集の記事掲載
 2月 8日 地元紙・上毛新聞       〃
 2月 9日 FTV「めざましテレビ」みのもんたさんによる組合への電話インタビュー
        放送終了後、問合せが殺到、そのため同月21日に合同
       説明会を開くことにする。      
 2月14日 上毛新聞に再度、説明会周知の記事掲載
 2月19日 毎日新聞(社会面コラム「雑記帳」)掲載
 2月20日 朝日新聞(群馬版)に説明会周知の記事掲載
      
ちょうどこの頃はリーマンショック後の金融不安が最高潮に達していたとき。派遣切り
や内定取り消し、さらには大手食品メーカーによる産地偽造、異物混入等、経済や
雇用に関するネガティブなニュースが連日報道されていた。職人募集の話題が、これ
ほどまでのメディアで取り上げられたのは、そんな社会情勢と無縁ではないだろう。

周知期間も短く3~4人くらいの方にでも来ていただければありがたい、と直前まで
関係者の間では話されいたが、21日の説明会当日、達磨組合理事長の中田さん
が経営する大門屋には、秋田から福岡まで、年代も10代~60代までの約50名が
参加した。

店舗内で予定していた説明会も、急きょ大広間に会場を移して行われ、予定時間を
越えてだるま作りや今後の待遇面に至る様々な質問がなされた。

勤めていた食品工場が倒産した親子、安定した今の職場より何か技を見に付けたい
という男性、まだ就職先が決まっていない大学生、また、だるま職人になるのが夢だ
という小学生まで。

それぞれの想いが交錯する会場の片隅で様子を眺めていた担当者も終始身が引き
締まるのを感じた。

説明会の後、希望者には同日組合理事による面談が行われた。今回の見習いとして
の採用は2~3名にする、との組合の意向だったため、選考に苦慮されたのは言うまで
もない。

3月下旬。
一人前になるには10年かかるというだるま作り、まだ肌寒さの残るの大門屋の工房
には、中田さんの指導のもと、職人への第一歩を踏み出したばかりの2人の姿が
あった。
20090221.JPG(2009年2月21日説明会にて、群馬県達磨製造協同組合の中田理事長と吉田理事)

shorinzan.jpg職場の引き出しの中に、一片の新聞の切り抜きを入れてある。この一年に何度
となく読み返した日本経済新聞1面コラム『春秋』、2009年2月3日付けのものだ。
以下、一部を引用すると

 
  何かを必死に我慢しているのか。ふざけて人を笑わせようとしているの
  か。縁起物の赤いだるまの顔は見ていて飽きない。商売繁盛に合格祈願。
  そして選挙。人々の不安な心を映しているのだろう。だるまの売れ行きが
  好調だと聞いた。

  だるまは浅間山と浅からぬ縁がある。江戸時代の天明3年に大噴火が
  起きたとき、関東や東北は大凶作に見舞われた。貧窮した養蚕農家を
  救おうと知恵を絞ったのが、現在の高崎市にある少林山達磨寺(だるまじ)
  の東嶽(とうがく)という和尚さんである。寺に伝わる達磨大師の絵を元に、
  幸運を呼ぶ張り子の像の作り方を農民に伝えた・・・

  ・・・東嶽和尚の小さな発明が人々を救ったのは間違いない。張り子作りは
  農家の副業となり、生活を支えた。温暖化ならぬ冷温化の逆境をテコに、
  新市場と雇用を創出した「達磨ニューディール」とも呼べる。
  七転び八起き。だるまさんもそう教えている。浅間の噴火を不吉な兆候と決
  めつけることはない。


数年ぶりに不気味な灰煙を吹き出した浅間山の噴火とともに迎えた2009年。
コラムの言葉を借り、"平成の達磨ニューディール"と呼ぶのにはまだ少々憚ら
れるが。それでも、高崎だるまにとって動きの多い1年だった。

年の瀬の物産日記、今年の高崎だるまに関するの出来事を5回にわたって振り
返る。

本日、九州のラジオさがさんの番組『おはこんラジオ!ヒーマンMaiどお騒がせ!』、
「全国お土産MAP」に出演しました。

番組内でお知らせしたリスナープレゼントの商品はこちらです。

○「ミニ高崎だるま」と「荻原正雄さんの招き猫」(各3名様)
 高崎といえば「だるま」。マユは鶴、ヒゲは亀を表す縁起の良い絵柄です。また、
 招き猫は百年以上続く荻原さんの工房の商品。一つ一つ手描きで仕上げて
 います。例年、1月6日から7日にかけて、少林山だるま市が開催されます。

daruma&neko.JPG○御菓子司・微笑庵さんの「だるま最中」(3名様)
 番組中で、ヒーマンさんとMaiさんにご試食いただいた最中です。食べる時に
 自分で餡を詰める、だるま型の香ばしい皮のパリっとした食感と瑞々しい甘さ
 が好評です。

daruma-monaka.jpg○群馬交響楽団×高崎だるまのコラボ商品「オーケストラだるま」
 指揮者・ヴァイオリン(各1名様)
 勢いでプレゼント提供することになりました。高崎を本拠地とする
 群馬交響楽団と高崎だるまのコラボ商品です。19日には年末恒例の「第九」
 演奏会が高崎で行われます。

orch.daruma cond vn.JPGラジオさがリスナーの皆さん、見どころ食いどころ沢山の高崎に、ぜひ一度遊びに
お越し下さい!

それから、ヒーマンさん、Maiさん、生まれて初めて佐賀の方とお話でき、本当に
楽しい10分間でした。佐賀をグッと身近に感じております。こんなご縁は大事に
したいものです・・・。


 

高崎の豚肉料理も負けてない

「うちのメンバーの料理、自信があったんだけど・・・」
きのうの夕方、高崎ベジフル倶楽部の中澤さんがお越しになり、残念
そうに話していた。

県内で豚肉料理のコンクールが行われるらしいが、対象地域でないため
参加できなかったとのこと。昨年そのイベントにも足を運び、同倶楽部
メンバーと意気揚々メニューを練っていたのだという。

 

ところで先日、このブログで高崎の豚料理の一品を紹介したところ、
「もち豚」が美味しい、ともち肌の女性が教えてくれた。

探してみたら、当協会の総菜店「もぎたて完熟屋」さんで、以前に試食した
商品が見つかった。写真は「倉渕もち豚のメンチカツ」だが、同店では
和・洋・中各種のメニューでこの榛名山麓の倉渕地域で育てられた豚を
使った商品を常時店頭に揃えている。

kanjukuya.JPGまた、もう一つ代表的なブランド豚肉に「上州麦豚」がある。こちらは麦類を
ベースにした飼料と徹底した衛生管理のもと育てられる。

「群馬のキムチ・ハマンチョ」さんでは、この上州麦豚を油を使わずにじっくり
煮込んだ韓国料理「煮豚ポッサム」を販売、冷蔵パックされたものは通信
販売でも購入できる。

いよいよ旬を迎えた国府白菜の「匠のキムチ」で巻いてももちろん美味しいし、
温めなくてもいただけるので忙しい時の弁当の一品としても使える。薄めの
味付けなので、お好みの調味料、例えばしょう油をひとタレするだけでも
ご飯が進む。

possam.jpg「高崎の豚肉料理も負けてない」とのタイトルだが、別に何処どこと張り合う
つもりはない。B級なんて呼んだら失礼だし、奇をてらったものはないけれど、
永く付き合いたい豚肉料理が高崎にはある。


◎もぎたて完熟屋
 群馬県高崎市本町8
 ℡ 027-325-7525

◎群馬のキムチ ハマンチョ
 ℡ 0270-75-3394
 http://www.rakuten.ne.jp/gold/hamancho/

高崎の餃子も負けてない

akagi.jpg前回のvs栃木のイチゴの続編。悪ノリかもしれないが。

群馬県では良質な小麦、野菜、豚肉が生産されており、そんな
食材を使った「上州餃子」を売り込むお店がいくつかある。

高崎の「餃子のあかぎ・赤城興商」さんもその1店。野菜中心の
一口餃子が好評で、周辺の百貨店で焼き餃子のテイクアウトが
できるほか、首都圏への催事出店や通信販売にも積極的に取り
組んでいる。

創業38年の老舗で、製造から販売までを手がけている。、3代目
の"若旦那"こと塚越康弘さんは各地を飛び回り群馬の美味しい
餃子を実演販売する超多忙な方。担当者の私も、実は電話でしか
話したことがない。

あかぎさんの具材は県産の豚肉とニラ、キャベツ、ねぎなど地元
野菜をふんだんに使用。また、自慢の皮には最上質の小麦粉を
使い、コシのある薄皮でパリパリした歯応えと新鮮な香味野菜の
シャキっとした食感がついつい後を引く。

各地への催事予定は同店HPでも知ることができるので、気になる方
は要チェックだ。

◎餃子のあかぎ 赤城興商
 http://www.akagikoushou.com/

群馬のイチゴも負けてない

お笑いコンビ、U字工事の勢いが衰えない。彼らの出身の栃木県がどれほどの恩恵を
授かっているのか、経済効果等の数字が気にところだ。同県のローカルな一商品だった
レモン牛乳などが今年は大ブレイクしている。

彼らも隣県の群馬に対してもだるまなどをネタに取り入れるというありがたい配慮を欠か
さないが、当のぐんまちゃん(群馬のゆるキャラだが他県で知る方がどれほどいるか?)
にはもっとムチを入れてもらいたいところである。

話は戻り、栃木県の観光大使として彼らが推す産品に「とちおとめ」というイチゴがあり、
やはりジワジワと知名度を上げている。この時期、県内スーパーの青果売場でも特等席
を占めるのを目にするし、確かに美味しい。でも、群馬にもそれに負けないイチゴがある。

それが「やよいひめ」。平成14年から栽培が始められている糖度が高く、大粒で収穫できる
ことが特徴の群馬県産イチゴの主力品種。その実力は複数の当協会会員の方からも伺っ
ている。そんな中から、ちょうどシーズンを迎えたやよいひめを使用したおすすめの商品を
紹介したい。

まずは剣崎町の「御菓子司微笑庵」さんの「ちごもち」。連日即売り切れとなるこの季節商品
は、ちょうど今週から販売が始まったばかり。昨日、別件で伺ったところ店主の宮澤さんは
ちごもち作りの真っ最中で、できたての商品をその場でいただいた。

chogomochi.jpg全国でも餡にイチゴを包んだ大福はどこにでもあるが、ちごもちは練乳餡を使用。さらに
使われるイチゴは通常流通しない4Lという特大のサイズのもので、毎朝店主自ら店舗近くの
農園に出向き仕入れている。そのため、その日の収穫次第でできる商品の数も限られる。

一口ではもちろん食べられない大きさで、かぶりつくとジュワッと瑞々しい果汁が口いっぱい
に広がる。5月頃までの販売、1個263円。

もうひと品は、洋菓子で。群馬県立近代美術館近くのフレンチレストラン「パリの朝市」さん
ではスイーツの定番として、旬なの果物を素材にしたブランマンジェが好評だ。朝市さんでも
これからの季節、やよいひめを使ったブランマンジェが登場する。

yayoihime.jpgブランマンジェは牛乳にフレッシュクリーム、アーモンドペースト、グラニュー糖、ゼラチン等
を加えて固めたミルクプリン、またはババロア。

やよいひめの中でも信頼できる農園のもののみを使い、牛乳やフレッシュクリームなども
選び抜いたものだけ用いるというこだわりようだ。

ブランマンジェに果汁のゼリー、果肉をのせた三層になっており、一匙ごとに溶け合う味の
変化を楽しめる。

売れっ子芸人はいなくても、光るアイデアと技の職人たちで群馬のイチゴは十分勝負でき
るだろう。まだまだ追い込みの余地はある。頑張れ、ぐんまちゃん! 有馬記念を前に。


◎御菓子司 微笑庵(みしょうあん)
 高崎市剣崎町1038-4
  ℡ 027-343-3026
  http://www.misyouan.com/

◎レストラン パリの朝市
 高崎市岩鼻町241-10
  ℡ 027-347-4765
  http://www4.ocn.ne.jp/~paris/ 

その存在を知ったのは2年前。国府野菜本舗の真塩さんからだった。

昭和の最盛期にはこの土地の肥沃で柔らかな土壌を活かして全国の8割
を占めるほどの栽培がされていたという「国分にんじん」。

根長が70cmから長いものでは1mになるにんじんで、香り豊かなにんじん
本来の味がする、今では懐かしまれるほど珍しくなってしまった伝統野菜
である。

人々のライフスタイルの変化や、全国的な流通・栽培の効率化、さらに農家
の高齢化や後継者不足により、ここ数年で栽培農家が1戸にまで減少して
しまっていた。真塩さんもこのままでは10年後にはだれも作る人がいなくなる、
と危機感を募らせていたのを記憶する。


そんな国分にんじんの明るい話題を伺ったのは今年の9月。高崎の中心街
で毎月開催される「昼市」に出店していた真塩さんから、今年は7名の農家が
この幻になりつつあるにんじんの栽培を試みていると聞いた。

そして11月の高崎市農業まつり会場。忙しそうに、そしてどことなく嬉しそうに
販売ブースに立つ真塩さんの前には、鮮やかに並べられた国分にんじんが
あった。

kokuhuninjin.JPG心配された出来具合も上々だったようで、物珍しげに手に取るお客さんたちで
賑わっていた。2日間のこの催しでは、連日早々に売り切れたとのこと。

私もこの日、国分にんじんを使った太巻き寿司をいただいたが、同じくこの地で
採れた食材たちの中で、一際存在感ある、滋味溢れる印象深い味わいだった。

この国分にんじんは、甘みがあるためそのまま生で食べても美味しく、また
キンピラ、煮物、松前づけなど幅広い料理に合うとのこと。正月の料理づくりにも
重宝しそうだ。

年の瀬の折込チラシから、百貨店等でのおせち料理商戦もたけなわのようだが、
足元冷え込む台所で、母から子へと家庭ごとに異なる正月の味を伝承する暮れ
の年中行事は、その土地の恵みを品々を語り継ぐ場でもある。そんな貴重な機会
を、面倒かもしれないけどもっと大事にしなくては・・・。

◎国府野菜本舗
 高崎市引間町225
 ℡ 027-373-1121
 国分にんじんは各地への発送も受け付けているそうです。

◎農林水産省認定・故郷に残したい食材100選「国分にんじん」
 http://nipponsyokuiku.net/syokuzai/data/028.html

大人の街の、冬の物産

週明け、当協会メールボックスを開けたら、1通の着信があった。
出張先の海外からという、群馬県の桐生市出身の方からのメールで、このブログを
ご覧になったとのこと。

文面から、しばらく故郷を離れていらっしゃるのが伺えたが、「良い物を大切にする
大人の町であってくれるといいのですが」と書き添えられていた。

そんな訳で、今回は高崎ではないが桐生市さんの物産の話題を綴りたい。当担当者
がこの季節に愛用している商品があり、それが同市の松井ニット技研さんのニット・
マフラーだ。

matsui-knit.JPG古くから「桐生は日本の機(はた)どころ」とも言われるほど、絹を中心とした繊維産業
が盛んな街である。蔵や呉服店などが並ぶ旧街道に歩くと、往年の活況ぶりを偲ぶ事が
できる。また、近年ではその高い技術を活かした製品作りが盛んに取り組まれている。

この松井ニットさんは、明治40年創業の老舗で、昔ながらの職人技を受け継ぎつつ、
世界的にも高い評価を得る高品質な商品を送り出している。

中でも、その個性的な配色からひと目でここの製品と分かるマフラーは、ニューヨーク
の近代美術館(MoMA)のミュージアムショップでも最人気の商品で、まさに世界で賞賛
されるデザインと言える。

それに加えて実際に肌にまとってみると、ふんわりとした優しい柔らかさを感じる。
ここには老舗の技術が活かされているようで、旧来の織機でゆっくり、丁寧に紡がれて
いるのだそうだ。

ルノアール、ゴッホ、モネといった印象派の絵画の色使いを研究し、それに、流行の色を
取り入れて作ったデザイン。美術品ともいえそうなこのマフラーがあると、北風の冷たい
冬の日も外出をいっそう楽しみしさせてくれる。

「良い物を大切にする大人の町」――――そんな街の伝統は身近な商品からも伺える。

◎松井ニット技研
 http://www.matsui-knit.co.jp/


 

makino.jpg

今年9月に朝日新書から帝国データバンクの監修で発行された『百年続く企業の条件
老舗は変化を恐れない』が面白い。日本の企業を見続けてきたプロ集団による一冊は
財務、人事、社訓など、様々な角度から老舗企業を徹底分析しており、恐慌や災害、
戦災を生き抜き優良企業となるための条件を明らかにしている。

特にアンケート結果の紹介を踏まえた社是・社訓の部分など、100年に一度の危機
などと言われたこの一年の終わりには心に響くものばかりだ。おせっかいながら
知り合いの商工会議所の方や経済大学の先生、新聞の経済部の記者へ一読を薦め
まくっている。

同書によると、対象となった企業は全国約119万社で、そのうち100年を越える企業は
1万9518社あるとのこと。帝国データバンク資料館の方に伺ったところ高崎で一番の
老舗は味噌・漬物販売の「糀屋」さんだそうだ。

この糀屋さんをはじめ当協会会員の市内の老舗、まさに「百年続く企業の条件」高崎版
とも言えるバスツアーが、来年の1月15日に群馬県観光国際協会の主催により開催
される。すでに定員の半分までお申し込みいただいているとのこと。

このツアーでは、まず創業430年の「糀屋」さんで味噌作り体験をする。糀屋さんでは
CSRという言葉が一般的になる前から、社会貢献活動として公民館等での味噌作り
教室を行っており、年間約1,000人が参加しているそうだ。ここでは一人2キロを仕込み、
熟成後発送される。

次が「割烹・魚仲」さんで昼食。四季折々の日本料理が長く市民に親しまれてきた料亭
の自慢は鰻。そのタレが凄い。120年前の創業以来、大切に継ぎ足されてきたこだわり
の味を堪能できる。

午後、バスは倉渕の「牧野酒造」さんへと向かう。高崎唯一となった酒蔵は元禄3年、
1690年の創業で、県内最古。榛名山の清らかな伏流水でこの時期仕込みは最盛期を
迎える。

最後に、230年の伝統の高崎だるまの工房「大門屋」さんへ。天明の大飢饉の後の困窮
する農民を救済すべく、少林山住職によりすすめられ高崎ただるま。今では高崎の
観光の顔として、訪れる人を見守っている。絵付け体験もでき、2010年の初め、各々
の願いをこめて、オリジナルのだるまを作れることができる。

ところで、何年か前まで"ヒルズ族"なるベンチャー企業やらの若手経営者がマスコミを
賑わせていたが、まだ健在なのだろうか?。

仕事で会員の老舗企業の経営者の方とお会いする機会があるが、糀屋22代目当主の
飯島さんにしろ、牧野酒造18代当主の牧野さんにしろ、一見とても普通な方である。
腕元に高級時計を光らせていたり、自宅マンションでワイン・パーティーを開いていたり
なんて話はまず聞かない。

でも何なのだろうか、その穏やか視線と淡々とした口調の中に、鋭く含みのあるものを
ふいに感じる。それは恐らく老舗当主だけが兼ね備えることができる品格が醸しだされてい
るのかもしれない。このような方たちに、ビジネス指南書に出てくるような言葉を期待するのは
ナンセンスだろう。彼らの言葉の意味を理解できるのは、ツアーから暫く経って、ふとした
瞬間に思い出し、実感できるような気がする。


◎群馬県観光国際協会バスツアー
 『匠のこだわり ~高崎"伝統の技"めぐり~』(1/15開催、9,800円)
 詳しくは群馬県観光国際協会(℡027-243-7273)へ
 

高崎の豚料理

豚肉のおいしい食べ方を日本中でいちばん知っているのは群馬県民かもしれない、
とここ数日ひそかに思いを巡らせている。

出荷できるまでにかかる時間が比較的短くて肉牛に比べると手間がかからないようで、
自分が小さな頃は近所にも豚舎があり祖母に手を引かれて見に行ったのを覚えている。

ブランド牛や地鶏の産地というとだれにでも共通して挙がる名前が幾つもあるが、豚肉
に関しては沖縄のアグーくらいか?。それでも地元スーパーの精肉売場を眺めてみると
これ程も、というくらい県内には銘柄豚の産地があるのが分かる。多分、他の都道府県
に行って見ても豚肉の品揃えは同じなんだろうと思う。

高崎の人は、だれも思いもよらないようなイベントを仕掛けたり、文化的ムーブメントを
興すときはここぞとばかりPRするが、それが他の地域からみれば質的に高いもので
あっても、自分たちには当たり前過ぎることを大げさに宣伝したりはしない。

そのことは高崎の豚料理でも言えると思う。ここ数日、物産会員の方から幾つかの
商品情報が届いたが、それは本当に豚肉を知り尽くした職人らだからこそできる品々
ばかりだ。

当たり前を大げさに言わない高崎市民と書いたが、それはお祭り好きではあれ、例えば
JR高崎駅西口からシンフォニーロードを歩いてみると、この500mの区間に地元の豚肉を
素材にした地酒にもってこいの料理は幾つもの料理屋で食べられるのに、のぼり旗やら
看板やらは見かけない。唯一見つけられたのは、ワイン・バーの入口に、タブロイド版くらい
の用紙に印字されたメニューにあった料理に榛名山麓豚のコトレットとあったくらいである。

それは群響を核に"音楽の街"または"映画の街"を掲げるこの街の、それを目的に訪れた
人を興ざめさせない無意識の心意気かもしれないし、訪れた人が地元の人に触れたく
地元の人しか行かないような料理屋のテーブルについたときに遭遇する味覚のサプライズ
への心憎い演出なのかもしれない。

kobana2.jpg◎小塙
 高崎市上小鳥町525-1
 ℡ 027-362-4573
 http://store.shopping.yahoo.co.jp/kobana/index.html

◎豚とろチャーシュー 250g650円、送料別
 同店の人気メニューをテイクアウト商品化。
 一頭の豚から2枚しかとれない希少部位「豚とろ」を、秘伝のタレと技でじっくり煮込んだ
 逸品。県産ハーブで育てた下仁田地域の豚を使用。豚とろ同様、地元野菜たっぷりの
 「もつ煮」やコラーゲン豊富な「角煮」も、その柔らかさは箸入らず、何より酒どろぼう的な
 深い味わいだ。

週末の朝6時25分、高崎市下中居町の某コンビニエンスストアー。
新聞を買いに行ったら、2日続けてJAたかさき経済部の佐藤部長さんに
会った。

「例のモノ、用意できたら連絡下さい」「すぐに手配する」・・・
オフの早朝、お互い篠山紀信と茂木健一郎のような頭をした二人の短い
会話に、コンビニの店員が事件の臭いを嗅ぎ取ったかは分からない。
例のモノ、確かに「白い粉」は早々に届いた・・・・。


生活情報満載で多くの市民が新刊を楽しみにしているミニコミ誌、月刊
パリッシュの最新号に、JAたかさきの新商品が1ページを割いて紹介され
ている。

最近でも榛名産生梅を使った梅酒や、小麦由来のオリゴ糖キャンディーなど
地元の農産物を加工したユニークで高品質な商品をリリースし話題となって
いるJAたかさきから、「高崎うどんセット」が発売された。これがすごい。
まさに事件ともいえる新商品だ。

群馬の郷土料理に、太めのうどんを季節の野菜やキノコと煮込んだ「お切り
込み」がある。このお切り込みを、家庭ですぐ調理できるようにしたセットが
12月限定で購入でき、全国発送もできるとのこと。

セット内容は
 高崎うどん生麺(極太)400g  うどんのための高崎産小麦「きぬの波」100%
 めんつゆ(4人前)、油揚げ(2枚) それぞれ高崎産大豆100%
 高崎産しいたけ(4個)、里芋(4個)、人参(1本)、ねぎ(1本)、大根(1/4本)
 ごぼう(1/2カット)、小松菜(3株)

佐藤さんによると、特に入手に苦労したのが油揚げ。お切り込みに深い味わい
を求めると不可欠となるこの食材に、協力者を探し回ったそうだ。そして、その
油揚げの製造は少林山近くの「樋口豆腐店」さんにより実現したとのこと。

この樋口豆腐店さん、当協会会員・微笑庵の宮澤さんからもこだわりの豆腐
づくりを以前に伺ったことがある。素材も選び抜いたものだけしか使わない
そうで、一日に作られる豆腐もごくわずからしい。

そういえば、当協会には豆腐店の会員はないが、最近の県内の物産展で話題
となるのは主に県北部の豆腐店である。

こう複数筋から噂を耳にすると、担当者としても気になるばかり。ぜひ当協会に
入会いただけないか、この場を借りてラブコールを送ってみる。

t-udon-set.jpg◎JAたかさき生活センター
 高崎市上中居町427
  ℡ 027-310-2688
 
◎高崎うどんセット
  2,200円(消費税・クール配送料込)、限定1,000セット

ここに泉あり

年の瀬も押し詰まり、県内各地では群馬交響楽団と地元合唱団による「第九」
のコンサートが盛んに催されている。

そんな中、本日付けの読売新聞群馬版トップニュースは群馬交響楽団の話題。
といっても歓べる話ではない。政府の行政刷新会議による「事業仕分け」で、
各地のオーケストラや劇団などに補助金を支出している独立行政法人も仕分け
の対象になり、「予算削減」と結論づけられた。群響も楽団経営への影響が懸念
されるとのこと。

その恩恵がどれくらい実感されているかは分からないが、群馬県内の子どもは
名画「ここに泉あり」の頃と変わらず、小・中・高校と必ず一度は群響の生の演奏
に接する機会がある。

市民体育館で群響の生伴奏で歌った「ドレミの歌」が自分にとって最初の群響の
記憶だし、中学2年の時に聴いたモーツァルトの「ジュピター」はクラシックに目覚
めるきっかけとなった。高校の時は、普段はガンズ・アンド・ローゼスしか聴かない
隣のクラスの高橋君が演奏会の後「展覧会の絵」のCDを買ってきて、それを
きっかけに仲良くなれたりもした。

そんな地元の誇れるものがあることは、物産を通して携わる観光の業務への
大きなモチベーションにもなっていると思う。還暦を過ぎた群馬の泉は、この地域
の多くの人たちを今なお潤し続けているのは確かだ。

gso.jpg会員を対象に、ここ数年参加させていただいている事業に(財)電源地域振興
センターの産品相談・商談会がある。この事業への国の委託も大きく見直しが
なされたとのこと。

発電施設を有する自治体の地域振興を目的とした事業で、旧榛名町との合併に
より高崎市も参加用件を満たすことになった。年数回、交通費とサンプル代程度の
負担で全国の有名百貨店等のバイヤーと直接商談できる事業は好評で、当協会
会員でも都内老舗デパートの催事出店につながった例があった。

先日の科学技術予算の件をはじめ、多くの人たちがこの国の進む方向に不安を
抱いている。外国人観光客の誘致など観光政策を強化するとも報じられているが。

効果がない、非効率的だから、と何から何まで削減し、栄養補給用のサプリメント
しかないような国になったら、誰が訪れたいと思うのか。そんな暮らしを強いられ
続ければ、住んでる者にもいずれ膨大な治療費が必要になるだろう。

苦悩から歓喜へ―――ベートーヴェンの「第九」のテーマだ。この街の、そんな名曲
に毎年末接することができ、そして励まされる環境に、あらためて感謝しなくては。

 

カティンの森

cinematheque.JPGネットで注文していたアンジェイ・ムラルチクの小説「カティンの森」(集英社文庫)が
届いた。

第二次世界大戦中、ポーランド人将校数千人が捕虜となったソ連内のカティンの森で
虐殺された、とされる史実を題材とした小説で、少女ニカを主人公とした恋の物語と
ともにポーランド史の暗部を描き出した作品である。

物産担当者の私の履歴書上の最終学歴は、ポーランド語専攻卒となっている。
ただ、ショパンの音楽には感情移入できなかったし、シェンキェヴィチの小説は数頁で
お手上げ、クラスのコンパで数瓶空けるウォッカには翌日ひどい頭痛に悩まされた。
初めてのポーランド滞在では空港からのバスで罰金徴収、成田でスーツケース破損
一部紛失など、要は志の低さにより語学はほとんどモノにならなかった。

そんななかで、唯一思い出に残るのがアンジェイ・ワイダ監督の映画を素材にした授業。
代表作として挙げられることが多い「灰とダイヤモンドPopiol i diament」や「地下水道Kanal」
より、どちらかというと「大理石の男Czlowiek z marmuru 」や「白樺の林Brzezina 」といった
静寂の中にその後起こるであろう悲劇を予感させるエンディングの作品に強く惹かれた。

そんなワイダの最新作がムラルチクの小説を原作に用いた「カティンの森Katyn」。
都内では今週末に封切となるが、先日シネマテークたかさき支配人の志尾さんに聞いた
ところ同館でも上映予定とのこと。

社会主義体制下の度重なる検閲をかい潜りながらの撮影を強いられてきたワイダだが、
ともすれば反体制としてのレッテルを貼られこの世から抹消されかねない映画人は、
その作品に幾つもの伏線をめぐらせる。例えば表向きを戦中のナチス批判としながら実際
はその矛先が現体制に向けていることを暗示する、といったように。

その手法は当時の東欧に共通するもので、ソ連のショスタコーヴィチのシンフォニーや
チェコスロヴァキアのフラバルの短編小説にも読み取ることができるし、民主化革命から
20年を経た今、その暗号解読作業は世界中の研究者により進められている。

今回、また物産の話題とは関係なさそうなことを書いてきたが、担当者の一時期の東欧
かぶれの後遺症か、このブログ記事にもいくつもの伏線が張られている。

それは非常に分かりづらいが、直近の時事的話題をパロディ化したものであったり、一見
不自然と感じられそうな文字列を縦または斜めに目を走らせることによりあるメッセージを
伝えていたり、といったものである。このブログをご覧の方、お時間あるようならそんな謎解
きをしてみて下さい。

ちなみに、東欧マニアだった私は、小さい頃からオオカミ少年と呼ばれることも多かった。

 

◎シネマテークたかさき
 http://takasaki-cc.jp/
 開館5周年記念の明日4日には一文字屋さんの甘納豆がプレゼントされる(先着:200名)。

こんにゃく問答

ヘビーとかアブノーマルなユーザーがいるかは分からないが、ほか弁の付け合せを含
めて週2~3回口にする程度の普通の消費者とすると、これほどコンニャクに対して思
いを寄せた数日間はなかっただろう。

昨日、全国紙の生活面を担当されている記者からメールが届いた。以前に県内の
支局にいた方だが、今でも観光のヒントになりそうな話題などを時々知らせてくださる。
そのメールによると、東京の人の群馬についての知識は①温泉 ②ラフティング 
③コンニャクイモ とのこと。②以下は少々意外だったが、そんなものか、といった印象。

落語ブームでDVDや関連本などが連日発売されているが、分冊百科のデアゴスティーニ
「落語百選DVDコレクション」の最新刊は柳亭市馬師匠による「蒟蒻問答」。全国を行脚
している僧侶と、寺の「大和尚」に扮したコンニャク屋の滑稽なやり取りを繰り広げるこの
古典噺は、高崎のとなり、安中が舞台である。

この噺、往年の名人の録音もいくつか残るが、見どころは僧侶とコンニャク屋の無言の
問答の場面。映像でないとその面白さが分かりづらいので、今回のDVDはありがたい。

コンニャクといえば、当協会会員の市川食品さんで今週末「第31回こんにゃくまつり」を
開催する。年2回行われるこのイベントはファンも多く毎回盛況だ。

今回のテーマは「手軽に簡単!こんにゃく料理」と題し、創作料理の試食やお買得セット
の販売、工場見学など見どころ満載である。

群馬を連想させる代表的な食材であるコンニャクは、前回のブログで紹介した国府白菜
とならび、鍋料理の名脇役。この季節、おでんや寄せ鍋には欠かすことができない。
体の芯まで温まるが、宴席帰りの交通事故には注意したい。

そんな訳で、謎かけ1題。

「上州のコンニャク」とかけて「冬の交通安全週間」と解く。その心は・・・
「脂肪(死亡)ゼロ」にしたいものです。   お後がよろしいようで。

konnyaku.jpg◎市川食品
 高崎市行力町270-2
  ℡ 027-344-5800

◎第31回こんにゃくまつり
 12月6日(日)9時~12時 市川食品本社工場内にて(雨天決行)

kokuhuhakusai.jpgブランド白菜として知られる「国府白菜」は「國府」と朱書きされた黄色の帯が目印。
肉厚で柔らかく、しかも煮崩れしないので、鍋料理に最適。また、その甘みは、寒風
上州の空っ風から身を守る白菜自らの営みでいっそう増す。

「国府野菜本舗」さんでは冬季限定で白菜漬けを販売、化学調味料を一切使わず、
これだけでメインディッシュにもなるほど(400g袋180円、2キロ樽1,300円、通販可)。

この国府白菜の私が好きな食べ方は、千切り白菜。トンカツの脇役のキャベツと同じく
刻んだものを中濃ソースでいただく。産地に近く、新鮮なうちだから楽しめる贅沢な
食べ方だ。

この白菜は奥行のある旨みが自慢で、塩漬けやキムチでも作り手を漬物名人になった
かのように錯覚させる。県内の人気キムチ店でも使用されている、折り紙付きのブランド
野菜でもある。

この白菜漬けを使った、冬の家庭料理にぴったりな一品を紹介したい。

ルーマニア出身の英文学の研究者で、県内の複数の大学の非常勤講師として教壇に
立つ田村エレナさんによると、同国流のロールキャベツ「サルマーレ」には、キャベツでなく
白菜の塩漬けが最適とのこと。

来日してからいろいろな材料で試したが、煮崩れしないことと適度な塩味がしみ込んでいる
ので塩漬けの白菜が重宝するそうだ。

数年前、田村さんの指導のもと、白菜の産地近くの公民館で開いた親子向けの料理教室で
紹介したレシピは以下のとおり。


  サルマーレ(ルーマニア流ロールキャベツ)

  材料(4人分)
  塩漬け白菜   白菜半株分
  豚挽肉      400g         
  米         1.5カップ(洗ったもの)
  タマネギ      2個(細かく刻む)
  ニンニク      4片( 〃 )
  塩         スプーン2杯
  黒コショウ    スプーン1はい
  ケチャップ     大さじ5はい
  サラダ油      適量

  作り方
  (1)白菜の塩気が強いときは、しばらく水に浸しておく。
  (2)大きめのボウルに、挽肉、刻んだタマネギ、ニンニク、米(生のもの)、
     塩、黒コショウを混ぜ、カップに半分の水を加る。
  (3)白菜の葉を分け、(2)の挽肉を混ぜたものを包む。
     中身を葉の真ん中に置くようにして包んでいく。
  (4)大きめの鍋に油を入れ、底に包む際に余った白菜の葉を敷く。
    その上に、ロールキャベツを並べていく。
  (5)ケチャップと水を混ぜ、ロールキャベツが浸るくらいまでかけていく。
  (6)塩で味を調整し、中火で50~60分煮込んでできあがり。

salma.jpgついでに、ルーマニアで定番の付け合せ料理をもう一品。簡単に短時間でできる。

  ママリンガ(付け合せ)

  材料(4人分)
  トウモロコシ粉(荒挽き) 100g(菓子食材コーナーで買えます)
  塩              適量
         
  作り方
  なべに水500mlを沸騰させてトウモロコシ粉を加え、なめらかに混ぜて
  塩を加え、中火弱の火加減で5分程度、ときどき混ぜながら温めて
  できあがり。蕎麦がきくらいの柔らかさのイメージ。

ロールキャベツをはじめ餃子、お饅頭など、"包む"料理は家族や友人らと作るととても
場が和み盛り上がる。消費低迷によりホームパーティが人気だとか。今年のクリスマス、
いつもと少し趣向をかえて、みんなで作って楽しむパーティーもまたいいかもしれない。


◎国府野菜本舗
 高崎市引間町225
 ℡ 027-373-1121
 例年12月中旬には、同所にて『国府白菜祭り』が開催され、白菜漬けの講習会や農産物
 直売が行われます。