2009年10月アーカイブ

映画好きの有志らとともに、今や全国的に知られるまでに成長した
「高崎映画祭」を立ち上げ、ついには自分たちの手でミニシアター
「シネマテークたかさき」まで作ってしまった茂木正男さんが亡くなって
もう一年になる。

私事になるが、茂木さんとの出会いは大学4年の時。
ロシア映画界の巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督を連れて、うちの実家の
天ぷら屋に来てくれた。お互い映画人どうし、いつの間にか通訳も介さず
ありのままの日本の姿を、身振り手振りを交えながら楽しげに紹介していた。

しばらくは茂木さんとの直接の接点はなかったが、できたばかりのミニシアター
シネマテークたかさきで何か一緒に仕事ができればと目論んでいた。
その希望が叶ったのがちょうど3年前。環境をテーマにした一ヶ月間の
映画上映とコラボイベントを行った。

北極の動物たちを描いた作品の時は字幕監修した東京大学の先生を招いての
レクチャー付き上映、変わり行く中国の都市が背景の作品の時は映画館前に
即席の屋台を設けて小龍包や水餃子を販売、結構儲かった。
シネマテークもこのような試みは始めてで、スタッフとともに試行錯誤の連続
だったが、印象深い一ヶ月となった。

でもその時のイベント会場に茂木さんの姿はなかった。後に命を奪うことに
なる病の治療のため一時入院中の茂木さんからは、まだ頼りなかったろう
スタッフへのエールのブログが毎日更新されていた。今だから告白するが、
私はその日が遅かれ早かれ訪れることを、その頃何となく想像していた。

久しぶりにシネマテークのHPにアクセスしたが、当時のブログ記事は残念
ながら見つからなかった。

何を企んでいるのか分からない、いたずらっ子のような茂木さん、持ちかけて
くる話も突然で唐突だった。
先のイベントに気を良くした茂木さん、アフリカの食糧問題のドキュメンタリー
映画の時にスクリーントークを企画、何故か対談相手に呼ばれた。
ほぼ満員の会場で、事前打合せもなく、(その前に結構飲んでて)汗だらだら
状態の私が何を話したかほとんど覚えていない。

やり残したこともある。
2年前の春、アイルランド映画の時。その時も深夜だった電話での提案は、
上映期間にシアターで二人でアイリッシュパブを開くというもの。
ウィスキーとギネスビールの調達先を調べ、幾つかの商品サンプルを取り
寄せたが、ちょうど自分がこの物産の仕事に就いた直後、また茂木さんは
映画祭の開催時期とも重なり、結局は幻の企画となってしまった。

「××ちゃん、また何か面白いことやろうよ」
その後も会うたびにそんな言葉を掛けてくれた。
そして、またこちらも落ち着いたら・・・と茂木さんの病気のことを忘れかけて
いたときの突然の訃報だった。

「また盛り上がっちゃったね」
お決まりのジャージ姿の茂木さんとそんなふうに語れるイベントを、またいつか
仕掛けてみたい。

ichimonjiya.jpgシネマテークたかさき隣の一文字屋さんの甘納豆。イベント等でお越しになった
映画監督、俳優さんたちのお土産の定番とのことです。

◎一文字屋
 高崎市連雀町51
 ℡ 027-322-3024
  http://machi.goo.ne.jp/027-322-3024

西洋料理の高級食材にトリュフがあるが、私は味わったことがない。

友人の結婚式でフィレ肉に載せられていた数枚のトリュフのスライスは、
ゆっくりいただこうと残しておいたのに余興のステージから席に戻ると片付け
られていた。それっきり縁がない。

特にこの時期、雑誌のグルメ記事などに頻繁に登場するトリュフの記述。
そのたびにあの時の悔しさが甦ってくる。

そんな気持ちをなだめてくれる、というよりトリュフなんてどうでもいい、
とさえ思わせてくれるような食材に先日出会った。

それが倉渕の森の中で採れるきのこ、「モタセ」である。
この地域特有の呼び方らしく、正式な名前は知らない。

先週、当協会に入会いただいた倉渕のはまゆう山荘さん、全国の宿泊
施設の利用者減が伝えられる中にあって、ここ数ヶ月前年比2割以上増の
利用実績とのこと。

3月に天然温泉化されたが、好成績の理由はそれだけではなさそうだ。
地域の素材を活かした料理や数々の新規イベントの開催など、企画内容を
伺うだけでも魅力的なものばかりである。

今週末の31日には『倉渕のお切り込みと紅葉祭り』というイベントが予定
されている。群馬以外の方には馴染みのない「お切り込み」とは、太めの
平打麺の地粉うどんを季節の野菜や芋などと煮込んだ郷土料理。
支配人の関口さんのご配慮でそのお切り込みをいただいてきた。


お切り込みはできたてよりむしろ、作った翌日くらいのほうが旨い。
はまゆう山荘さんでいただいたものも、しっとり柔らかくなったお切り込みで
親しみを感じる味わいだった。

味の決め手となっているのが(前置きが長くなったが)モタセの存在だ。
この地域ではモタセが入らないとうまくない、といわれるほど重用されている
そうで、じっくり煮込んであるのに茸の香り、食感が保たれ、その滋味な味は
むしろ増している。

マツタケとシメジとマイタケの美味しいところだけ凝縮したような、と言っても
大げさではないだろう。

はまゆう山荘さんでは、このモタセを使ったお切り込みを通年メニューにする。
この時期に収穫したものをこの地に伝わる手順で塩漬けして使っていくとのこと。

このお切り込みはランチメニューとして一日限定10食(1,000円)で提供しており、
実は私がうかがった日はもう売り切れとなっていた。煮込鍋にとっておいた
貴重な一杯をいただいた次第。

名前の通り、榛名の山々に囲まれた山荘のイートスペースは石造りの教会の
ような雰囲気で、開放感ある窓からの紅葉を眺めながらの遅めのランチを
満喫できた。本来ならそんな風景写真をここに載せなければならないところだが、
すっかり仕事を忘れてしまっていた。

motase.JPG(写真はモタセの入った「お切り込み」と地元野菜たっぷりの「横須賀海軍カレー」。
海軍カレーはまた次の機会に紹介します。)


◎はまゆう山荘
 高崎市倉渕町川浦27-80
  ℡ 027-378-2333
  http://www6.wind.ne.jp/hamayu/

oomiya.JPG「都内デパ地下で話題」 「自由が丘セレブに人気上昇中」 「NASAが認めた」

ある商品が口コミによりブレイクするたびに、こんなフレーズを耳にするが、
広告代理店の影を疑ってしまう。

そんな中で今、当協会の御菓子司おゝみや(おおみや)さんの「かりんとうまんじゅう」が
話題となっており、電話での問合せもたびたび受ける。

確かに言えるのは、このかりんとうまんじゅうのヒットの要因はその新鮮な味わいと
強力な口コミによること。そして口コミのルーツも明らかであることだ。

口コミ発信源となったのは榛名地域に住むオグラカズオ氏。
こう書くとクリエーターっぽく響くが、オグラ氏は電通マンでもないし、経営コンサルタント
でもない。また、地元大学のマーケティングの先生でもない。

本業は宮大工、小倉一男さんである。

小倉さんとはどんな人か。
気になる方は榛名神社参道を訪れてみるとよい。まだ白木の新しさが残る板塀は、歩く者の
目を楽しませてくれる。そんな細やかな配慮が、小倉さんの人柄を表している。
また、広報高崎10月15日号9ページ下写真で榛名神社のガイドをしているのが小倉さん。
広報はネットでも公開しており、彼の頭部が確認できる。


黒糖を練り込んだ生地でこしあんを包み、カリッと油であげたこのまんじゅうが生まれた
のは昨年の4月。「俺は頭悪いから、自分で実際に色んな所行って、見て、いいもの食べてくるんだ」
という小倉さんが、東北方面で食べたまんじゅうを同店に紹介、商品化させた。

ほぼ同時期にできたてのまんじゅうを当協会にも持参してくださり、今までにない食感は
スタッフを魅了した。

その後、小倉さんがどれだけのサンプルをどこに持参したかは定かではない。
しかしその味は評判を呼び、同店は開店前から行列が出来るほどの人気となり、今年1月には
高崎髙島屋の物産展「群馬展」にも出展要請が来るほどとなった。

物産展でも連日数十分で売り切れ、県内の逸品を集めた同展でもこれほど話題となった
商品はない。

先日も職場に届いたかりんとうまんじゅう。持参者のコメントから小倉氏発の伝言ゲームは
その精度を保ちつつ続行している模様だ。


ところで、高崎発のブレイク中のスイーツといえば、ガトーフェスタ・ハラダさんのラスクがあるが
かりんとうまんじゅうとは意外な共通点があるようだ。

旧多野郡(現高崎市)新町の旧街道沿いの小さなベーカリーでラスクが生まれたのが10年前。
それまでのラスクの概念を覆す上品で食べ飽きない味わいは瞬く間に話題となり、休日とも
なると同店前の通りが渋滞になるほどだったのを記憶している。その後の大躍進は皆さん
ご存知のとおり。ブレイクの始まりは口コミだった。

また、その場所はおゝみやさんにしろハラダさんにしろ、お店は決してアクセスの良いところに
ある訳ではない(なかった)。それでもわざわざ足を運びたくなる魅力がある。

もう一点、その製法。ラスクはお店で余ったフランスパンの有効活用から始まった。
温泉饅頭を揚げたイメージのかりんとうまんじゅうも、そのルーツは多分ラスクと同じだったの
ではないだろうか?

高崎発のブレイク商品、この法則が正しいとすれば、次は何が来るのか予想できないか?

実は、かりんとうまんじゅうを知らしめた小倉さんには、新たに目に留まった商品があるそうだ。
先週そうおっしゃっていたが、どこのお店の何という商品かは教えてくれなかった。

そこでこのブログをご覧の方に提案したい。次のブレイク商品の口コミしませんか?

希望の方は当協会までメールでお知らせを。5人集まったら始めることにしよう。その時は小倉さんに
伝えることにし、商品名を公開する。ただし、サンプル代、交通費等はすべて自己負担。一年後、
メディア等で話題になった商品を眺めながら何ともいえない快感に浸れることは確かだ。

◎御菓子司おゝみや
 高崎市下室田町1068
  ℡ 027-374-0075
  9時開店、水曜休

「森永製菓 新工場建設を再開」との記事が本日付け日本経済新聞
企業総合面に掲載された。凍結されていた高崎での新工場建設が
再開され、11年8月の稼動を目指す、とのこと。

予定地は国道17号バイバスの倉賀野駅近く。
あまり知られていないが、この道をJR新町駅方面に東に車を走らせると
わずか10キロ足らずの間に国内有数の食品工場、特に菓子製造工場が
点在する。

森永製菓の工場予定地から約3分のところにあるのがシリアルの世界的
大手「ケロッグ」の日本工場で、周辺にはチョコレートの甘い香りが漂う。

さらに烏川を越え5キロほどのところには「ハーゲンダッツ」の国内唯一の
工場がある。世界にも数箇所しかないハーゲンダッツの製造現場で
周辺のアジア地域など海外にも輸出されている。

その近くには、今や飛ぶ鳥も落とす勢いで全国的に人気のラスク工場、
「ガトーフェスタ・ハラダ」の本社とショップがあり、その荘厳な佇まいは
訪れる者を圧倒する。

上記工場の全てが工場見学等の団体を受け入れている訳ではないが、
今まで観光とはあまり縁がなかったと思われる高崎東部、特にこの17号
沿線は、今後成長が見込まれる産業観光の面で成長が期待できそうだ。

そのような流れを逃すまいと、群馬県でも県内の工場見学を組み込んだ
バスツアーを大手旅行会社と提携してすすめているようだ。

2年ほど前に当協会にも受入施設の照会があり、市内10数箇所を回答したが
その後報告などがないのでどのように活用されているかは分からない。
ただ新聞報道を見ると、そのうち数箇所はルート化されているようである。

また、そのような素材を中国や台湾、韓国といった周辺国からの修学旅行
受入の素材としても売り込んでいる(ようである)。

世界的に観光業界が苦戦する中で、ニーズを見込んだ戦略によりこの地域の
来訪者増が見込めればという期待も膨らむが、そんな中で気になる出来事が
あった。

先月、別件で伺った市内のある伝統工芸品の工房。
駐車場には千葉ナンバーの大型バスが停まっており、工房兼店舗では30人位
の外国人客が職人の実演を待っていた。

工房の若手職人が実演開始を呼びかけたのだが、ディスプレーされた商品を
囲んでなかなか集まらない。数分後、しびれをきらせた工房の大将が大声で
再度呼ぶ始末。驚いたのは渋々歩き出した一群の中に、通訳兼ガイドまで
いたことだ。その後の顛末までは見届けていない。

少し考えて欲しい。
訪問先は観光地ではない。彼らは、ものづくりの貴重な時間を割き、手を止めて
いる職人である。

そしてその工房は、この地で永く受け継がれてきた品々が生み出される神聖な
場所でもある。

ちょっとしたネガティブな印象が、ネットの掲示板等を通じて瞬く間に広まる現在。
ただ、本物に触れるという目的の工場見学先で、シティホテルのような平身低頭の
接客やら百貨店のようなサービスを望むのだとしたら、それは観光客のこの上ない
驕りであるし、産業観光の未来は危ういだろう。

お菓子の甘い話ではじまった今回のブログ、苦言での締めとなってしまった。
現場の複数の声を聞き、どこかで伝えなければいけないと思ったので記す。

komugi.JPG多くの方をキャンセル待ちにさせてしまった群馬県観光国際協会のバスツアー
『たかさきスイーツめぐり』(10/22)に続き、来月は「小麦」をテーマにした旅が
実施される予定。

上州・群馬は日本を代表する小麦どころ。そんな地元の小麦を見て、食べて、
学べる美味しいツアーがこれ。

「高崎うどん」や梅酒「ほろ酔いだるま&観音」といった数々の話題商品を世に送り
出してきたアイデアマン、JAたかさき経済部の佐藤さんだが、今回のツアーも主催者の
期待以上の充実内容となりそうだ。

ふだんは見ることができない小麦の大型貯蔵施設、カントリーエレベーター見学後
JAたかさき本店での昼食となる。そのメニューがユニークだ。

到着後、参加者はチーズケーキを焼く。ただし普通の調理法ではない。電子ジャーで
作るのだそうだ。小麦生産農家の奥様方の提案だろう。

それが焼きあがるのを待ちながらいただくのが3種の小麦の「麺食べくらべ」。
高崎が誇るブランド小麦『絹の波』と昔ながらの小麦『農林61号』それぞれで、出来たての
うどんを賞味。さらに『ダブル8号』小麦の中華めんが用意されている。

ここまででも十分に高崎の小麦の奥深さを実感できることだろう。
でも、もちろんそれだけではない。

デザートのチーズケーキの後、JA本店を出発して向かうのは東証一部上場企業の
群栄化学さん。観光としてルートに組み込まれることはまずない施設だが、ここでは
小麦『絹の波』を最新の技術で加工した『高崎オリゴ糖』を製造している。

通常のオリゴ糖には含まれない小麦由来のミネラル分等が豊富で、自分もプレーン
ヨーグルトを食べる時に使っているが、これが慣れると普通の甘味料では物足りなくなる
豊かな味わいだ。

そして最後にJA高崎ハムさんでの工場見学とショッピング。
高崎ハムさんでは、プレミアムラインとして上州麦豚等を使用した商品を展開している。
景気低迷の中、アウトレット等の訳あり商品が人気だが、工場に隣接する直売場では
お買い得商品にも出会えるだろう。

なお、同ツアーについては広報高崎11月1日号で募集記事が掲載される予定。
上記「たかさきスイーツめぐり」は広報配布と同時に満員となったので、このブログを
ご覧の方、申込みなら今がチャンスです。

たかさき小麦ストーリー 予約サイト
http://tabihatsu.jp/program/74236.html
全見学先お土産付きです。

この週末に前橋で開催された県内最大規模の農業イベント「JA収穫感謝祭」。

秋の味覚を存分に堪能しようと訪れた多くの家族連れで賑わう会場で、ひときわ
和やかなムードを醸しだしていたのが「群馬のキムチ・ハマンチョ」さんのテントだ。

100軒以上のテントが並ぶ会場では、生産者らの威勢のいい呼び声が飛び交って
いたが、ハマンチョさんのコーナーへは、逆にお客さんの方から声を掛けていく
姿が多く見受けられた。

会場の一番奥に同店のテントを見つけると、数組のお客さんが店長の大谷さんと
何やら楽しげに話している。

  「いつも美味しくいただいてますよ」「そうそう、ネットで見たの、確かこのキムチ!」
多分そんな会話が交わされていたのだと思う。

ハマンチョさんが大手ネットストアの楽天市場に出店したのが昨年の11月。
そして当協会に入会いただいたのが今年の4月。その際に初めて同店に伺った時、
大谷さんの商品づくりへの誠実な姿勢に担当者として打たれるものが多々あった。

同店は楽天でも激戦区のキムチ部門で、早くもたびたび売上ランキング上位を達成、
同サイトのユーザーレビューでも、その丁寧な対応ぶりが高い評価を得ている。

そんなハマンチョさんが、先日テレビの取材を受けたそうだ。
テレビ朝日『スーパーJチャンネル』の「ラッシャー板前の便利屋大将」というコーナー。
ラッシャーさんが様々な業界を一日とことん手伝う、というもの。

ハマンチョさんでのキムチ漬け体験の様子は、数日前に収録が行われた。
バラエティや紀行番組でお客さん目線の楽しげなレポートが定着しているラッシャーさん、
収録時にはカメラが回っていない時もTV画面のままの人柄で場を和ませてくれた
とのこと。

また、休憩時にはハマンチョさんの商品を幾皿も平らげていたそうだ。
なんか分かる、自分が初めて頂いた時もそうだった。
 
収穫感謝祭の日も、これからテントにラッシャーさんが来てキムチの販売を手伝うという
ところで、カメラがスタンバイしていた。

JA091017.JPG番組の放送は10月26日(月)。
放送後は忙しくなりそう、と大谷さんも漬け込みに気合が入っている。

ハマンチョさんの一ユーザーとしておすすめは、11月末~。
高崎特産の「国府白菜」はこれからが旬を迎え、素材の良さを存分に活かした人気商品
『匠のキムチ』の出荷が始まる。このブログをご覧の方、慌てずに早めにご予約を。

それからもう一点アドバイス。
ハマンチョさんに注文するとパック詰めされたキムチが届くが、白菜漬けの後に残る
漬け汁は鍋にも最適。ぜひお試し下さい。

ひと足はやく高崎の冬の味覚をお伝えしました。

◎群馬のキムチ ハマンチョ
  http://www.hamancho.jp/

商いの切っ先

shinbun.JPG本日10月15日から20日までは「新聞週間」。

自分にとって、晩酌の冷えたビールが一日の疲れを癒してくれるものだとすれば、
寝起きのドライな状態の脳を潤してくれるのが新聞であり、毎朝の何よりの楽しみ
でもある。

当協会では、これまでの物産展出展の業務に加えて、最近では新聞等メディアへの
情報提供にも力を入れている。

今年になって当協会から提供した情報の新聞掲載も間もなく100件に達する。
スクラップした記事を読み返してみると、その時々の会員さんの熱い想いなどを
あらためて思い起こされる。

宣伝広告費がほぼゼロ円の当協会にとって、この街の小さな話題を広く発信して
いただける新聞は無くてはならない存在だ。

ここ1週間の紙面でも、倉渕の「はんでえ米」や萩原正雄さんの「招き猫」、真下さんの
創作だるまなど、地味ながら高崎の地場産業を支える品々が心和む写真とともに
紹介されている。

また、新聞の影響力をあらためて実感させられた出来事として、
先週放映された人気番組『ぶらり途中下車の旅』で石ころアートの島田幸雄さんが
取り上げられるきっかけとなったのは4月の群馬版の記事であるし、

2月の高崎だるまの後継者受入にあたってはスピーディーに全国紙社会面コラム
への掲載を手配いただいたことで、その数日後の説明会には秋田から鹿児島に至る
全国から50名を越す希望者が訪れた。

そんな時、記者さんにお礼の連絡を入れると「こんなことぐらいしかできないで」と
決まって同じ言葉が返ってくる。もしかして新聞業界の符牒なのか。こちらとしては
「ここまでしていただいて」な気持ちなのだが。
さりげない一言に、この上ない格好よさを感じてしまう・・・。

先週こんなこともあった。
前回のブログで紹介した「はらっぱ」さんの銀座松屋出展をある全国紙の記者さんに
お伝えしたところ、「松屋といえばガトーフェスタ・ハラダさんが人気ですよね。
どちらも「ハラ」だし」と一言。一片の情報に対するプロフェッショナルな鋭いセンスを
見せられた瞬間だった。

少し前になるが、今月3日の日本経済新聞の1面コラム『春秋』は落語『明烏』で
大店の主人が堅物の息子に言って聞かせるせりふ「商いの切っ先がなまる」で
始まっている。

出版業界の古い体質を突いた内容だったが、情報提供を行う上でもこの"切っ先"は
大事にしたい。
むやみやたらとメディアに情報を投げても時間と労力を無駄にするだけ。
時機を見る、そんな商いの方法も最近この仕事を通じて学んだ。

やはり古典落語『芝浜』の大酒のみで貧乏な魚屋・勝五郎にしても、
『火焔太鼓』の商売下手を女房になじられる道具屋・甚兵衛にしても、
これらの噺を聴く者、特に商いに関わる者を幸福なオチへと導くのは彼らの決して鈍って
いない商いの切っ先への憧れがあってのことだ。

勝五郎も甚兵衛も、現代の流通でいえば仲介業、会員から受け取る情報を適宜
メディアに提供していくこの業務にも通じるものがある。

とてもありがたいことに、本市の物産の話題に対しては各紙紙面では好意的な
内容で記事化いただいているが
もし当方が切っ先がなまったような仕事をしているのであればご指摘いただきたい。

時にはそんな記事も秘かに楽しみにしているM系担当者である。

harappa3.JPG「幼稚園児がいきなり大学に入るようなもんですよ」

そう嬉しそうに語るのは「スパゲッティー専科はらっぱ」社長の岩田さん。
同店の松屋銀座本店への催事出展が決まったそうだ。

この人が事務局に姿を見せると周囲がパッと明るくなる、そんな持ち前の
ユーモアたっぷりに出展経緯を話してくださった岩田さん、その意気込みは
今回も本気だ。

このブログでも報告したとおり、同店が「高崎パスタ」として初めて市外の
県庁物産展に出展し、記録的な売上を達成したのが今年の6月。

確かにその時の強烈なインバクトは来場した県内百貨店バイヤーらの目に
とまったとはいえ、今度は都内の、それも6大デパ地下のひとつ、銀座松屋
である。幼稚園から大学、まさにそれくらいの大躍進だろう。

11月上旬に開催される全国からの名品を集めた松屋催事では、岩田さんは
定番の「赤唐辛子とニンニクのトマトソース」ほか4商品のテイクアウト商品を
販売する。ラッピングには中村染工場さんの特注手ぬぐいを使用とのこと。

何の因果か、銀座松屋といえば当協会会員の(ガトーフェスタ・ハラダ」さんが
同じデパ地下に常設店舗を構えており、百貨店の売上不振が伝えられる中に
あって人気商品のラスクを求めての連日の行列が出来るほどの盛況ぶりだ。

催事期間中、高崎発の2つのお店、「ハラダ」と「はらっぱ」(ハラハラコンビと
勝手に呼ぼう)、が銀座の名門百貨店で行列になれば面白い。
物産担当者としてそんな期待も抱いてみたい。

仕込み期間は1ヶ月を切ったが、アイデアマンの岩田さんのことだ、
これから名店デパ地下を驚かせるような仕掛けを考え出すにはまだまだ十分な
時間がある。

と岩田さんへの心ばかりのプレッシャー、出展のお祝いの言葉とエールに代えて。


◎催事情報
 松屋銀座本店 『立冬うまいものめぐり』
 11月4日(水)~10日(火)

◎スパゲッティー専科はらっぱ
 高崎市岩押町18-6(本店、ほか2店舗あり)
 電話/FAX 027-325-2418(本店)
 http://www.harappa.co.jp/index.html

明日(10/10)放送の『ぶらり途中下車の旅』で「しまだ工房」の島田幸雄さんが
紹介されます。

同番組サイトにも「河原の石が名画に変身!?」と次回予告のページに掲載されて
います。

そんな訳で、ひと足早く島田さんの作品をブログ上で公開します!

まずはダ・ヴィンチの「モナリザの微笑み」。
額縁の右にはムンクの「叫び」の石ころアートも。
stoneart1.JPGのサムネール画像のサムネール画像次にゴッホの自画像。
stoneart2.JPGのサムネール画像もともとは仏像画家の島田さん、ということで仏像シリーズ。
stoneart3.JPGのサムネール画像すでに売約済みですが、「能」シリーズから「弁慶」。実物を手に取ると見事な
線が細さに驚かされます。
stoneart4.JPGのサムネール画像のサムネール画像石ころの「おひなさま」。うちの娘の初節句でいただきました。
stoneart5.JPGのサムネール画像石ころではありませんが、本業の仏像画(アクリル画)。
わずか数日で描きあげてしまうのです。

stoneart6.JPGなお、放送日は島田さんのお孫さんの結婚式とのこと。
島田さんとお会いするといつも話題にのぼる自慢のお孫さんへの
サプライズなプレゼントになりそうです。


【島田さんの作品 展示情報】
 高崎髙島屋 「マイアトリエ 手作り作品展」
 10月15日(木)~20日(火)

 群馬県東京事務所
 10月1日(木)~31日(土) 群響モデルの作品を展示中

 ようこそ高崎 人情市 (不定期出展)
 毎月第4日曜日

 

担当者の怠慢でした。

このブログをご利用いただいているまだまだ少ない貴重な閲覧者の
皆さまには、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

6月の第1回に続き、さらに充実した内容で実施を予定しております
群馬県観光国際協会主催「たかさきスイーツめぐり」バスツアー
(当協会員の洋菓子店6店舗参加、10月22日)ですが、

本来であれば、このコーナーにていち早く情報をお伝えしなければ
ならないところ、詳細内容の紹介前にすでに満員となっております。

新型インフルエンザや消費不振により観光事業者から苦しい状況が
伝えられる中、このツアーに多くの方にお申し込みいただき、
または関心をお持ちいただきましたことに、厚く御礼申し上げます。

今後も、当協会会員協力による同ツアーは数本予定しておりますので、
なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

 

daruma march.JPG今朝、久しぶりに榛名山に架かる七色の虹を見た。

心配された雨もあがり、数日ぶりの青空が広がる高崎で、明日まで恒例の
「観音だるまマーチ」が開催される。

高崎の2つのシンボル、白衣大観音と縁起だるまの名前を冠したこの
イベントは、美しい自然と豊かな歴史文化に触れながら健康づくりや
訪れる人の交流と親睦を深めることを目的に行われるウォーキング大会。

17回目となる今回は、家族向けの5キロコースから箕郷、かみつけの里
方面をめぐる30キロコースまで9つのコース設けられている。

スタート地点となる市役所前広場で、物産協会による特産品販売(全8店舗)
も行われる。

初出展する「倉渕んまい会」の下平さんのテントでは名産の「はんでえ米」の
おにぎりを販売しており、筆者もさっそく購入した。

自家製の唐辛子味噌のおにぎりとお赤飯のセット。朝食にと既に
胃袋に収めてしまったが、澄んだ空気の中の程よいウォーキング後
だったら、きっと格別な味だろうな、と想像する。

そんな上州路歩きのおみやげに、この唐辛子味噌やはんでえ米も販売されて
いる。

tougarashi-miso.JPG第1陣となる箕郷コースの参加者が集まりだしてきた。
あと10分ほどでスタートとなる。

参加者の皆さま、
道中に気を付けて、秋の高崎をお楽しみください。
それから、高崎の旬の味覚も、ぜひご賞味ください。


   講釈師、見て来たような嘘をつき、
   という川柳がございます。
        
   講釈師が見て来たような嘘がつけるように
   なりますと一人前。

   堀部安兵衛ってぇ人がグッと握ったげんこうが
   丁度このぐらいございましたぁー、

   なんてぇ言ったって、堀部安兵衛の隣に座ってた
   わけじゃぁないんだろうと思いますがなぁ・・・。

   ~三遊亭金馬『くしゃみ講釈』(落語名人選収録)から~

 

「高田の馬場の決闘」や「忠臣蔵」で知られる、赤穂浪士47士のひとり、
堀部安兵衛(1670-1703)が高崎にも少なからず縁があることを最近知った。

越後の新発田藩に生まれた安兵衛は、少年時代に同藩家臣の父が不遇な
死を遂げてから浪人となり江戸に出る前後に、上州馬庭村(今年6月に高崎市
に編入した旧吉井町)の馬庭念流道場にて、樋口十郎兵衛将定から
剣術を学んでいる。
maniwa.jpg                                                                 (高崎市吉井町馬庭の馬庭念流道場)

その様子は、正月時代劇の原作にもなった池波正太郎の著書『堀部安兵衛』
(新潮文庫)にも書かれている。

その修行の際に滞在していたのが、高崎市箕郷町の下田邸だったという。
箕郷町は平成18年に高崎市に合併、下田邸は現在の高崎市役所箕郷支所の
敷地に保存されている。

秋には紅葉の名所として親しまれるこの下田邸の庭園は、一説によると
安兵衛が設計、築造したとも言われている。
shimodatei.jpgのサムネール画像                                                                               (高崎市箕郷町の旧下田邸)

とすると、剣術修行のたびに安兵衛は今の箕郷からこの高崎を抜け、吉井へ
と通っていたことになる。

なお、高崎の寺尾町から吉井にかけては「中山峠」と呼ばれており、この峠道が
彼の旧姓(中山)に由来するものなのかどうなのか。想像は膨らむばかりである。


歴史、特に日本史には学生時代からほとんど知識のない私が安兵衛に
興味を持ったのは、箕郷町の「みどり園茶舗」の、とある商品を知ったのが
きっかけ。その名も「のんべ安兵衛のくき茶」。

他にもこの地ゆかりの箕輪城主のおとみ姫や、藤原鎌足の妻与志古の
名にちなんだ商品があり、お店で伺う店主の大石さんの解説ぶりは、
名人の講談を聞いているかのよう。

ついでながら気になるのが店主の苗字、これもやはり忠臣蔵の大石内蔵助と
関わりがあるのか。


今週末にはこの下田邸の庭園を中心に、江戸時代の婚礼風景を再現した
「きつねの嫁入り」が開催される。

当時の面影を残す箕輪の城下街を、花嫁衣装や紋付、留袖などをまとった
嫁入りの行列が静かに進む。クライマックスは下田邸での嫁入りの野外劇。

初秋の夜の庭園で繰り広げられる幻想的な光景を眺めながら、
若き青年剣士がたどった道すじに想いを馳せるのも、また一興か。


yasubee2.JPG◎みどり園茶舗
 高崎市箕郷町西明屋114-5
  ℡ 027-371-5667